ダイバーシティ推進のための方針
ブラザーグループは、年齢、性別、国籍、障がいの有無、職歴などにかかわらず、従業員が個々の能力を最大限に発揮できるよう、各国・各地域の法律、労働環境の状況を踏まえ、職場環境および制度の整備を行っています。さらに能力、人格、資質、行動に優れた人材が国境を越えて、適材適所に配置され、グループをけん引できるよう、制度の充実や従業員の意識改革活動を行い、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。
経営幹部のグローバル化と現地採用の積極的な推進
ブラザーは、経営幹部のグローバル化を進めており、各国・地域のグループ会社の管理職に国籍を問わず、適任者を登用し、地域に密着した経営を目指しています。統括拠点である米国と中国の販売会社の社長を含め、ブラザーグループの各拠点では現地スタッフを積極的に経営幹部に登用しています。地域責任者の現地従業員率は、2017年の55%から、2021年には67%に上昇しました。
また、生産拠点の新設や拡張にあたっては、雇用創出を通じて地域の社会・経済の活性化に貢献すべく、人材雇用を行っています。例えば、2012年に設立したフィリピン工場では、約6,000人を雇用し、ベトナム拠点では、二つの生産拠点をあわせて、14,000人以上を現地で雇用しています。
女性管理職の登用を推進
女性管理職については、各国・各地域で、女性の社会進出の歴史、生活文化、主な職種などが異なるため、全管理職者数に対する比率に差はあるものの、多くの拠点で女性が活躍しています。
社名 [国] | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | 2022年3月 | ||||
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数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | |
ブラザー工業株式会社 [日本] | 34人 | 4.0% | 35人 | 4.2% | 38人 | 4.6% | 43人 | 5.3% |
ブラザー販売株式会社 [日本] | 2人 | 2.2% | 3人 | 3.8% | 4人 | 5.4% | 4人 | 4.7% |
兄弟高科技(深圳)有限公司 [中国] | 42人 | 32.8% | 41人 | 33.1% | 42人 | 33.9% | 41人 | 33.6% |
珠海兄弟工業有限公司 [中国] | 20人 | 57.1% | 20人 | 55.6% | 20人 | 55.6% | 19人 | 54.3% |
兄弟機械(西安)有限公司 [中国] | 4人 | 22.8% | 7人 | 20.6% | 7人 | 20.6% | 7人 | 28.0% |
ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.) [アメリカ] | 90人 | 38.8% | 87人 | 41.6% | 93人 | 42.5% | 84人 | 41.8% |
ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)Ltd. [イギリス] | 7人 | 15.2% | 7人 | 14.9% | 8人 | 20.5% | 9人 | 21.4% |
ブラザーU.K. Ltd. [イギリス] | 14人 | 33.3% | 18人 | 39.1% | 14人 | 35.0% | 16人 | 43.2% |
兄弟(中国)商業有限公司 [中国] | 8人 | 25.8% | 8人 | 25.0% | 8人 | 25.8% | 9人 | 27.3% |
ブラザーインターナショナル(ドイツ)GmbH [ドイツ] | 7人 | 21.2% | 9人 | 24.3% | 9人 | 28.1% | 9人 | 30.0% |
ブラザーフランスSAS [フランス] | 11人 | 34.4% | 10人 | 32.0% | 11人 | 35.0% | 13人 | 45.0% |
ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd. [ベトナム] | 45人 | 35.4% | 48人 | 39.3% | 53人 | 38.7% | 52人 | 37.4% |
ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd. [ベトナム] | 7人 | 41.2% | 7人 | 36.8% | 7人 | 38.9% | 6人 | 35.3% |
ブラザーインダストリーズ(フィリピン)Inc. [フィリピン] | 0人 | 0% | 2人 | 4.9% | 4人 | 11.8% | 6人 | 15.0% |
女性活躍推進のための活動
ダイバーシティ経営の課題の一つとして女性活躍推進の施策を実施
ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)は「女性活躍推進に関する宣言」や「女性活躍推進に関する行動計画」の策定、在宅勤務制度の導入、有識者を招いての講演会を積極的に行っています。従業員から、社内のロールモデルとなるキャリアを知りたいという声があり、イントラネット上で社内の女性管理職のこれまでのキャリアを紹介したり、少人数の社内座談会「キャリアコミュニティ」を実施したりしています。このキャリアコミュニティは、男性の仕事と育児の両立などさまざまなテーマを取り上げ、参加者同士の意見交換や社内ネットワークをつくる場としても活用されています。
今後も、ダイバーシティ経営やワークライフバランスの観点から、多様な働き方を実現するために、性別にかかわらず働きやすい職場環境を目指して継続的に取り組みます。
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/374KB]
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/304KB]
主な施策
2017年度 |
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2018年度 |
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2019年度 |
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2020年度 |
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2021年度 |
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ブラザー工業における女性従業員比率など、女性活躍推進に関する詳しいデータについては下記をご覧ください。
ESGデータ-社会(S)関連データ-ダイバーシティ・両立支援外部からの評価
ブラザー工業は、これまでの取り組みが評価され、厚生労働省、愛知県、名古屋市から、女性活躍推進、子育て支援など多様な働き方に対応する企業として、認定されています。
詳しくはブラザーグループのサステナビリティを重視した経営-外部からの評価-女性活躍推進、子育て支援などに対する評価をご覧ください。
障がい者の雇用推進と活躍支援
ブラザー工業では、障がいを持つ従業員も、それぞれの適性・能力に合った職種・職場で活躍しています。
日本では、一定規模以上の企業に対して、総従業員数の一定割合以上の障がい者を雇用することが法律で定められています。2021年度の雇用率は2.29%でしたが、2022年度は2.35%となり、法定雇用率を満たしています。今後も、障がい者の採用と職場での活躍支援の両面から継続的に取り組んでいきます。
- 受入出向者は含むが嘱託社員、期間従業員は含まない
ブラザー工業は、グローバル憲章の「行動規範」にある「個人に対する信義と尊敬」に基づき、障がいの有無に関わらず、従業員同士が理解を深め、連携を強化して個々の能力を最大限に発揮できる職場環境をつくっていく方針を引き続き展開しています。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」などの法律の改正に合わせ、法律の概要と考え方を学ぶeラーニングや、具体的な行動を促進するためのブラザーグループ内のジョブコーチによる学習の場を設けています。また、障がいを持つ従業員から相談を受けるなどの役割を担う、「障害者職業生活相談員」を各工場の従業員から選任し、相談員を対象にした継続的な知識向上プログラムを、外部講師を招き実施しています。このように、職場全体で理解しサポートできる体制を構築しています。
LGBTへの対応
ブラザー工業は、ダイバーシティ推進の一環でLGBTに関する理解を深め、従業員が自分らしく働くことのできる環境を整備しています。
2019年には、管理職・一般従業員向けにLGBTに関するe-ラーニングを実施しました。また、新入社員向けに2019年度から、新任管理職向けには2020年度から、人権や労務などに関する研修内でLGBTを取り上げるなど従業員の理解促進に努めています。
そのほかにも、健康診断実施における配慮、毎年実施する「従業員意識調査」で回答者属性の性別欄を削除、男性向けの制服を男女兼用化するなど、多様性を尊重するためさまざまな取り組みをしています。
高齢者雇用の推進(シニアスタッフ制度)
ブラザー工業では、60歳の定年後も、希望者には65歳まで雇用を継続するシニアスタッフ制度を導入し、長年培ってきた経験を生かし、スキルやノウハウを発揮できる場を提供しています。
2021年度には、80%を超える従業員が、シニアスタッフ制度での再雇用を希望しており、希望者全員をシニアスタッフとして再雇用しています。
また、近年の働き方の多様化を受け、定年延長についても議論を進めています。
2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | 2021年度 | |
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シニアスタッフ数 | 38人 | 98人 | 79人 | 88人 | 121人 |
再雇用率*1 | 82.6% | 86.7% | 83.2% | 88.0% | 90.3% |
- (シニアスタッフ数÷定年退職者数*2)×100
- 定年退職者数には、再雇用を希望しない人を含む