ブラザーグループ 人財マネジメントポリシー
下記をご覧ください。
現地での雇用機会創出と海外拠点責任者の現地登用促進
多様な人財の活躍と現地雇用の推進
ブラザーグループは、40以上の国と地域に製造・開発・販売の拠点を展開しており、ブラザーグループ全体での従業員数は4万人を超えています。そのうち7割以上の従業員が日本以外で働いており、グローバルに多様な人財が活躍しています。
地域別従業員数・海外従業員比率(連結)
また、生産拠点の新設や拡張を通じて、現地での雇用機会の創出による地域社会・経済の活性化にも貢献しています。例えば、2012年に設立したフィリピンの生産拠点では7,000人以上、ベトナムでは2つの生産拠点をあわせて、11,000人以上を現地で雇用しています*1。
海外拠点責任者として現地人財の登用を促進
ブラザーグループは、グローバルに所在する各拠点が現地の市場環境に適した経営を自律的に行っている状態を目指し、海外拠点責任者として現地人財の登用を促進しています。米国や中国など主要な販売拠点の社長を含め現地スタッフを積極的に経営幹部に登用した結果、ブラザーグループの海外拠点責任者の現地従業員比率は、2019年の62%から、2024年には67%*2に上昇しました。
また、中期戦略「CS B2024」期間中(2022年度~2024年度)のサステナビリティ目標として、「海外拠点責任者の現地登用を促進するための人財育成およびガバナンスの強化」を掲げ、サステナビリティ委員会の傘下に設置されたDEI分科会のもと、各拠点がその地域の文化や環境に合った経営を自律的に推進できる体制づくりに取り組みました。2024年度には、各拠点における体系的な後継者および人財の育成や、適切な拠点トップの人財配置に向けた各拠点の取り組みについて調査しました。その結果、米州の子会社では、2015年から年に1回、各拠点のリーダー層が集まる「Americas Leadership Summit」を開催し、米州全体で共通の人事施策を展開するなど、情報の共有や米州の拠点間における連携が進んでいることがわかりました。また、欧州やアジアの販売拠点では、地域統括拠点やその管轄下にある販売会社も参加する、人事領域についての定期的なミーティングを開催しており、リーダー層の効果的な育成や従業員エンゲージメント向上に資する活動の共有を行っていることもわかりました。さらに日本では、2024年度、従業員エンゲージメント向上に取り組む意義を改めて確認するワークショップを開催し、国内グループ会社の拠点トップが参加しました。
そのほかにも、自律的な拠点経営のためのガバナンス体制構築に向けて海外グループ拠点への調査を実施し、リーダー候補に対するサクセッションプランの作成・活用が進んでいることも確認できました。
今後も、各拠点・地域の役割や特性、課題に即した多様な⼈財が活躍している職場環境の構築を推進していきます。
- 2024年3月末時点
- ドミノ関連会社を含む
女性管理職の登用推進
女性管理職については、各国・各地域で、女性の社会進出の歴史、生活文化、主な職種などが異なるため、全管理職者数に対する比率に差はあるものの、多くの拠点で女性が活躍しています。
社名 [国] | 2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | |
ブラザー工業株式会社 [日本]*2,3 | 38人 | 4.5% | 43人 | 5.3% | 46人 | 5.9% | 48人 | 6.3% | 52人 | 6.8% |
ブラザー販売株式会社 [日本] | 4人 | 5.4% | 4人 | 4.7% | 4人 | 4.7% | 3人 | 3.9% | 4人 | 4.7% |
兄弟高科技(深圳)有限公司 [中国] | 42人 | 33.9% | 41人 | 33.6% | 40人 | 33.3% | 44人 | 34.9% | 44人 | 34.9% |
珠海兄弟工業有限公司 [中国] | 20人 | 55.6% | 19人 | 54.3% | 15人 | 48.4% | 14人 | 48.3% | 15人 | 48.4% |
兄弟機械(西安)有限公司 [中国] | 7人 | 20.6% | 7人 | 28.0% | 9人 | 34.6% | 9人 | 34.6% | 10人 | 38.5% |
ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.) [アメリカ] | 93人 | 42.5% | 84人 | 41.8% | 92人 | 40.5% | 106人 | 44.0% | 111人 | 43.7% |
ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)Ltd. [イギリス]*4 | 9人 | 17.3% | 12人 | 21.8% | 16人 | 26.7% | 16人 | 25.4% | 17人 | 25.4% |
ブラザーU.K. Ltd. [イギリス] | 14人 | 35.0% | 16人 | 43.2% | 15人 | 42.9% | 17人 | 47.2% | 14人 | 45.2% |
兄弟(中国)商業有限公司 [中国] | 8人 | 25.8% | 9人 | 27.3% | 10人 | 30.0% | 10人 | 29.0% | 9人 | 26.5% |
ブラザーインターナショナル(ドイツ)GmbH [ドイツ] | 9人 | 28.1% | 9人 | 30.0% | 8人 | 30.8% | 7人 | 26.9% | 8人 | 33.3% |
ブラザーフランスSAS [フランス] | 11人 | 35.0% | 13人 | 45.0% | 12人 | 40.0% | 12人 | 38.7% | 12人 | 38.7% |
ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd. [ベトナム] | 53人 | 38.7% | 52人 | 37.4% | 53人 | 35.1% | 55人 | 32.9% | 61人 | 32.8% |
ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd. [ベトナム] | 7人 | 38.9% | 6人 | 35.3% | 7人 | 36.8% | 7人 | 36.8% | 7人 | 38.9% |
ブラザーインダストリーズ(フィリピン)Inc. [フィリピン] | 4人 | 11.8% | 6人 | 15.0% | 9人 | 20.9% | 10人 | 25.0% | 11人 | 25.6% |
- 各年度3月31日現在
- 嘱託社員・受入出向者を含む。取締役・監査役・執行役員は含まない
- *2の基準で算出し直した値へ更新
- ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)Ltd.は、2020年3月から2022年3月まで人数・比率の算出方法を見直した値へ更新
女性活躍推進のための活動
ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)は、ダイバーシティやワークライフバランスの観点から、性別に関わらず働きやすい職場環境の構築に継続的に取り組むことで、多様な働き方を実現しています。
ダイバーシティを重視した経営の課題の一つとして女性活躍推進の施策を実施
ブラザー工業は、「女性活躍推進に関する宣言」や「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画」などに基づき、女性活躍を推進しています。これまでには、女性従業員向けのキャリアカウンセリングや上司・部下が参加するキャリア研修、希望者の中から選抜された女性従業員に社外研修を受講する機会の提供などを実施してきました。
「女性リーダー研修」の実施
ブラザー工業は、女性管理職候補者の育成のため、「女性リーダー研修」を2022年度から開始しました。
詳細は、人財育成をご確認ください。
計画・目標
女性管理職(上級職) | |
---|---|
目標*1 |
|
実績 | 2024年度末:女性上級職 60 人 |
男性の育児休業 | |
目標*1,2 |
|
実績 | 2024年度実績:育児休業取得率79.6%、2週間以上の育児休業取得率76.9%、4週間以上の育児休業取得率59.3% |
目標1*1 | 男性従業員の育児休業のさらなる取得促進活動を行う。 |
目標2*1 | 働き方の選択肢を拡充し、より多様で自律的な働き方を推進する。 |
実績 | 働きやすい職場環境 |
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/471KB]
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/300KB]
- 2021年4月1日から2026年3月31日までの5年間の目標
- 定義:男性の育休取得率:2024年度中に2週間・4週間以上育休を取得した者 ÷ 2024年度中に配偶者が出産した男性従業員数
主な施策
2020年度 |
|
---|---|
2021年度 |
|
2022年度 |
|
2023年度 |
|
2024年度 |
|
実績
- 各年度3月31日現在
- 嘱託社員・受入出向者を含む。取締役・監査役・執行役員は含まない
- *2の基準で算出し直した値へ更新
労働者の男女賃金差異*1,2
対象 | 2023年度 | 2024年度 |
---|---|---|
全労働者 | 76.0% | 76.0% |
正規雇用労働者 | 73.6% | 74.3% |
パート・有期雇用労働者 | 86.9% | 80.1% |
- 「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」の規定に基づき算出
- 男女の賃金格差については、性別による賃金体系及び制度上の違いはなく、等級及び職種別人数構成の差によるもの
ブラザー工業における女性従業員比率など、女性活躍推進に関する詳しいデータについては下記をご覧ください。
ESGデータ-社会(S)関連データ-ダイバーシティ・両立支援外部からの評価
ブラザー工業は、これまでの取り組みが評価され、厚生労働省、愛知県、名古屋市から、女性活躍推進、子育て支援など多様な働き方に対応する企業として、認定されています。
詳しくはブラザーグループのサステナビリティを重視した経営-外部からの評価-女性活躍推進、子育て支援などに対する評価をご覧ください。
障がい者の雇用推進と活躍支援
ブラザー工業では、障がいを持つ従業員も、それぞれの適性・能力に合った職種・職場で活躍しています。
日本では、一定規模以上の企業に対して、総従業員数の一定割合以上の障がい者を雇用することが法律で定められています。ブラザー工業における2024年度の雇用率は2.39%となり、2024年度に引き上げられた法定雇用率2.5%*1を下回る結果となっています。この結果を真摯に受け止め、今後は法定雇用率を満たすべく、障がい者の採用と活躍の両面から、安心して働くことのできる職場環境の整備への取り組みを一層強化していきます。
ブラザー工業は、グローバル憲章の「行動規範」にある「個人に対する信義と尊敬」に基づき、障がいの有無に関わらず、従業員同士が理解を深め、連携を強化して個々の能力を最大限に発揮できる職場環境づくりに継続して取り組んでいます。
この方針のもと、社内での障がいに関する理解促進に向けた外部講師による講演会や、障がい者の仕事の幅の拡大に向けた特別支援学校の学生向けの製造現場実習などを実施しています。また、ブラザーグループ内のジョブコーチ*3が、障がいのある従業員が配属される部門に対し、必要な配慮や対応について事前に説明を行うなど、誰もが安心して働ける職場環境の整備を進めています。
- 法定雇用率は2024年度に2.3%から2.5%に引き上げ
- 直雇用(嘱託社員、期間従業員は含む)と国内外への出向者を含む(受入出向者は含まない)
- 職場適応援助者のこと。障がいのある人が職場で円滑に働けるよう、本人や企業に対してサポートを行う専門職
障がい者雇用などに関する講演会
ブラザー工業は、障がい者の雇用拡大と社内での障がいに関する理解促進のため、2023年度から障がい者雇用に関する講演会を開催しています。
2023年度の講演では、経営層や管理職約140人が参加し、法的な雇用義務を超えた障がい者の雇用に向けて、障がい者雇用の現状や企業が障がい者雇用をするうえで必要なことなどが語られました。参加者からは、「障がいのある方が心理的安全性を高めて働くことができるよう、相手を知ることが大切だと感じた」「車いすを利用している部下に対し、本人が望んでいないサポートまでしてしまっていたのではないかと感じた。今後は、自分の思い込みで対応するのではなく本人の意思を確認することが大事だと理解した」などの感想や気づきが寄せられました。
2024年度には、自分とは異なる背景を持つ人との接し方を学ぶことを目的に、ユニバーサルマナー*講座を開催しました。本講演は、瑞穂工場・星崎工場・刈谷工場で計3回実施され、対面とオンライン合わせて約500人の従業員が参加しました。講演では、自分と他者の間の「違い」や、障がい者、高齢者、外国人など異なる背景を持つ人との接し方などが紹介され、講演後のアンケートでは80%以上の従業員が講演前後で「意識の変化」を実感したと回答しました。
- 障がい者、高齢者、外国人など多様な方と向き合うためのマインドとアクションのこと
LGBTへの対応
ブラザー工業は、ダイバーシティ推進の一環でLGBTに関する理解を深め、従業員が自分らしく働くことのできる環境を整備しています。
2019年には、管理職・一般従業員向けにLGBTに関するe-ラーニングを実施しました。また、新入社員向けに2019年度から、新任管理職向けには2020年度から、人権や労務などに関する研修内でLGBTを取り上げ、2024年度には全従業員を対象に講演を実施するなど従業員の理解促進に努めています。
そのほかにも、健康診断実施における配慮や、毎年実施する「従業員意識調査」で回答者属性の性別欄を削除するなど、多様性を尊重するためのさまざまな取り組みを展開しています。
LGBTに関する講演会を実施
ブラザー工業は2024年度、誰もが個々の能力を最大限に発揮できる職場を目指し、LGBTに関する講演会をオンラインで実施しました。本講演には、約300人の従業員が参加し、セクシュアリティの基礎知識や、不適切な発言・行動例などが紹介されました。参加した従業員からは、「公表していない当事者もいるため、当事者がいることを前提とした言動をするべきだと思った」などの声が寄せられ、講演後アンケートでは、96%の従業員が「LGBTに関する理解が深まった」と回答しました。
シニア層の活躍推進
65歳定年への移行(2026年度以降)
ブラザー工業では現在、60歳の定年後も、希望者には65歳まで雇用を継続するシニアスタッフ制度を導入しており、長年培ってきた経験を生かして、スキルやノウハウを発揮できる場を提供しています。
2024年度には、80%を超える従業員が、シニアスタッフ制度での雇用継続を希望し、希望者全員をシニアスタッフとして再雇用しています。
2020年度 | 2021年度 | 2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
---|---|---|---|---|---|
再雇用されたシニアスタッフ数 | 88人 | 121人 | 136人 | 97人 | 82人 |
再雇用率*1 | 88.0% | 90.3% | 91.3% | 85.8% | 85.4% |
また、ブラザー工業では、2029年度以降に60歳を迎える従業員を「65歳定年」とします。それまでの移行期として、2026年度から段階的な定年延長を行います。
65歳定年への移行にあたり、シニア層のさらなる活躍を促進するため、2023年度に「ブラザーシニアスタッフ制度」を改定しました。本改定では、シニア層の役割基準・レベルをより明確に定義し、それに基づき評価・報酬制度を整備しています。これにより、高い成果・貢献を創出するシニア層を適切に評価し、より正しく報いることができると考えています。なお、65歳以降も、高い成果と貢献が創出可能な人財については、社内での就労機会を拡大しています。
さらに、65歳定年への移行に伴い、新たに選択定年制度も導入しました。選択定年制度とは、定年延長の対象となる従業員が自身の定年年齢を選択できる制度で、60~64歳の間で定年年齢を選択します。このように、従業員のライフプランや意欲、希望に応じて働き方を選択できる制度を整備しています。
- (シニアスタッフ数÷定年退職者数*2)×100
- 定年退職者数には、再雇用を希望しない人を含む