ダイバーシティ推進のための方針
ブラザーグループは、従業員が多様なライフスタイルを選択できるよう、各国・各地域の法律、労働環境、従業員の状況を踏まえ、多様な働き方を支援しています。能力、人格、資質、行動に優れた人材が国境を越えて、適材適所に配置され、グループを牽引できるよう、制度の充実や従業員の意識改革活動を行い、ダイバーシティの推進に取り組んでいます。
経営幹部のグローバル化と現地採用の積極的な推進
ブラザーは、経営幹部のグローバル化を進めており、各国・地域のグループ会社の管理職に国籍を問わず、適任者を登用し、地域に密着した経営を目指しています。統括拠点である米国と中国の販売会社の社長を含め、ブラザーグループの各拠点では現地スタッフを積極的に経営幹部に登用しています。地域責任者の現地従業員率は、2016年の52%から、2020年には67%に上昇しました。
また、生産拠点の新設や拡張にあたっては、雇用創出を通じて地域の社会・経済の活性化に貢献すべく、人材雇用を行っています。例えば、2012年に設立したフィリピン工場では、約7,000人を雇用し、ベトナム拠点では、2つの生産拠点をあわせて、13,000人以上を現地で雇用しています。
女性管理職の登用を推進
女性管理職については、各国・各地域で、女性の社会進出の歴史、生活文化、主な職種などが異なるため、全管理職者数に対する比率に差はあるものの、多くの拠点で女性が活躍しています。
社名 [国] | 2019年3月 | 2020年3月 | 2021年3月 | |||
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数 | 比率 | 数 | 比率 | 数 | 比率 | |
ブラザー工業株式会社 [日本] | 34人 | 4.0% | 35人 | 4.2% | 38人 | 4.6% |
ブラザー販売株式会社 [日本] | 2人 | 2.2% | 3人 | 3.8% | 4人 | 5.4% |
兄弟高科技(深圳)有限公司 [中国] | 42人 | 32.8% | 41人 | 33.1% | 42人 | 33.9% |
珠海兄弟工業有限公司 [中国] | 20人 | 57.1% | 20人 | 55.6% | 20人 | 55.6% |
兄弟機械(西安)有限公司 [中国] | 4人 | 22.8% | 7人 | 20.6% | 7人 | 20.6% |
ブラザーインターナショナルコーポレーション(U.S.A.) [アメリカ] | 90人 | 38.8% | 87人 | 41.6% | 93人 | 42.5% |
ブラザーインターナショナル(ヨーロッパ)Ltd. [イギリス] | 7人 | 15.2% | 7人 | 14.9% | 8人 | 20.5% |
ブラザーU.K. Ltd. [イギリス] | 14人 | 33.3% | 18人 | 39.1% | 14人 | 35.0% |
兄弟(中国)商業有限公司 [中国] | 8人 | 25.8% | 8人 | 25.0% | 8人 | 25.8% |
ブラザーインターナショナル(ドイツ)GmbH [ドイツ] | 7人 | 21.2% | 9人 | 24.3% | 9人 | 28.1% |
ブラザーフランスSAS [フランス] | 11人 | 34.4% | 10人 | 32.0% | 11人 | 35.0% |
ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd. [ベトナム] | 45人 | 35.4% | 48人 | 39.3% | 53人 | 38.7% |
ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd. [ベトナム] | 7人 | 41.2% | 7人 | 36.8% | 7人 | 38.9% |
ブラザーインダストリーズ(フィリピン)Inc. [フィリピン] | 0人 | 0% | 2人 | 4.9% | 4人 | 11.8% |
女性活躍推進のための活動
ダイバーシティ経営の課題の一つとして女性活躍推進の施策を実施
ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)は「女性活躍推進に関する宣言」や「女性活躍推進に関する行動計画」の策定、在宅勤務制度の導入、有識者を招いての講演会を積極的に行っています。従業員から、社内のロールモデルとなるキャリアを知りたいという声があり、イントラネット上で社内の女性管理職のこれまでのキャリアを紹介したり、少人数の社内座談会「キャリアコミュニティ」を実施したりしています。このキャリアコミュニティは、男性の仕事と育児の両立などさまざまなテーマを取り上げ、参加者同士の意見交換や社内ネットワークをつくる場としても活用されています。
また、キャリア形成のための海外勤務経験の必要性も挙げられ、2017年度には、若手従業員が海外勤務経験を積む従来のトレーニー制度*を拡充し、入社3・4年目の従業員を対象とする事務系海外派遣制度を導入しました。このように海外拠点でのOJTと幅広い経験を通じて、将来の活躍の場を広げる機会を設けています。
ダイバーシティ経営やワークライフバランスの観点から、多様な働き方を実現するために、性別にかかわらず働きやすい職場環境を目指して継続的に取り組みます。
- 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現在は活動を中断しています。
キャリアコミュニティ
事務系海外派遣制度 利用者の声
~現地現物の大切さを学んだ1年~
ブラザー工業株式会社 パーソナル・アンド・ホーム事業 営業企画部
川中 梨紗子
入社4年目の2018年4月から1年間、ドイツにある販売会社にて研修を行い、主に市場調査や販促ツールの企画業務について実践を通じて学びました。期間中は、ディーラー店舗やイベントに足を運ぶことで現場の生の声を聴く機会を作ることを心がけました。
お客様の本質的なニーズを捉えるためには、現場から出ている要望を深掘りし理解することが必要であると実感し、現地現物の重要性について身をもって学ぶことができました。帰国後は、この経験を次の製品企画に活かすため、「この製品はお客様のニーズに沿うものになっているだろうか」という目線で業務に取り組んでいます。
女性の職業生活における活躍の推進に関する法律に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/351KB]
次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画(ブラザー工業株式会社行動計画) [PDF/286KB]
主な施策
2016年度 |
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2017年度 |
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2018年度 |
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2019年度 |
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2020年度 |
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ブラザー工業における女性従業員比率など、女性活躍推進に関する詳しいデータについては下記をご覧ください。
ESGデータ-社会(S)関連データ-ダイバーシティ・両立支援外部からの評価
ブラザー工業は、これまでの取り組みが評価され、厚生労働省、愛知県、名古屋市から、女性活躍推進、子育て支援など多様な働き方に対応する企業として、認定されています。
詳しくはブラザーグループのCSR経営-外部からの評価-女性活躍推進、子育て支援などに対する評価をご覧ください。
障がい者の雇用推進と活躍支援
ブラザー工業では、障がいを持つ従業員も、それぞれの適性・能力に合った職種・職場で活躍しています。
日本では、一定規模以上の企業に対して、総従業員数の一定割合以上の障がい者を雇用することが法律で定められています。2020年度の雇用率は2.17%と法定雇用率の2.2%を下回る結果となっており、さらなる障がい者の採用と職場での活躍支援の両面から継続的に取り組んでいきます。
- 受入出向者は含むが嘱託社員、期間従業員は含まない
ブラザー工業は、グローバル憲章の「行動規範」にある「個人に対する信義と尊敬」に基づき、障がいの有無に関わらず、従業員同士が理解を深め、連携を強化して個々の能力を最大限に発揮できる職場環境をつくっていく方針を引き続き展開しています。
「障害者の雇用の促進等に関する法律」などの法律の改正に合わせ、法律の概要と考え方を学ぶeラーニングや、具体的な行動を促進するためのブラザーグループ内のジョブコーチによる学習の場を設けています。また、障がいを持つ従業員から相談を受けるなどの役割を担う、「障害者職業生活相談員」を各工場の従業員から選任し、相談員を対象にした継続的な知識向上プログラムを、外部講師を招き実施しています。このように、職場全体で理解しサポートできる体制を構築しています。