ビジネスとして社会課題の解決や地域活性化に取り組む若者を支援
「東海若手起業塾」の立ち上げに参画し、継続して起業家支援をサポート
ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)は、本社のある東海地区で社会課題の解決や地域活性化にビジネスとして取り組む若い社会起業家を支援する「東海若手起業塾」の立ち上げに参画し、その活動への協賛を2008年から開始しました。
起業塾では、起業家の事業戦略立案やサービス開発の支援など事業を成長軌道に乗せるための取り組みをしており、2020年までに合計55組の介護や福祉、多文化共生、子どもの学びの場づくり、子育て支援、町づくりなどに携わる起業家を支援しました。
2021年度は、出産前後の女性を助産師がサポートする事業や、生徒に学校外で学びの場を提供する事業などにより、社会課題の解決を目指す4人が、14期生として起業塾に参加しました。
従業員がプロボノとして社会課題解決に参画できる仕組みを構築
2012年からは、ブラザー工業の従業員を対象にプロボノを募集し、従業員が業務で培ったスキルや経験を生かして起業家を支援するとともに、事業を通じた社会課題の解決について学ぶ機会を設けています。
プロボノとして参画した従業員は、6カ月間で合計50時間の就業時間を活動にあてることが認められており、就業時間以外の時間も使いながら、提供するサービスの価値を向上させる戦略の立案、ターゲットの絞り込み、市場調査のサポート、販売計画の策定など自身のスキルや経験を活用した支援を行いました。
2020年度に続き2021年度も新型コロナウイルスの影響を受け、プログラムの実施には困難が伴いましたが、事前研修、塾生最終選考会、研修、最終報告会など、主要なものはオンラインを併用してすべて日程通り開催しました。新規事業に携わりたい、立ち上げたいと考える従業員がプロボノとして参加し、起業家をサポートしながら従業員自身もアントレプレナーシップ*を学び、自身の業務を推進するために良い刺激を受ける機会となりました。
2021年2月に過去のプロボノ経験者に対して行ったアンケートでは、「起業家の支援を通じて、社会を見る視座が高まった」「顧客の深い理解が重要だと感じた」「社内ではできない価値ある経験ができた」という声が寄せられました。
2022年度は、これまでに蓄積したオンライン活用のノウハウを生かし、対面とオンラインを組み合わせたより効率的なプログラム運営を進めていきます。
距離を確保しながらメンターとのミーティング
対面とオンライン併用で開催した最終報告会
ブラザー工業は、これからも社会課題の解決や地域の活性化に、ビジネスとして取り組む若手起業家を支援する起業塾に協賛します。さらに、従業員のプロボノ活動によって社会に貢献するとともに、事業を通じた社会課題の解決を促進するため、従業員の学びと成長の機会を拡充していきます。
- 新しい事業を創造し、リスクに挑戦する姿勢のこと
南アフリカ共和国で、恵まれない若者たちの就労を支援
若者の雇用を促進するプログラムに協賛し、職業訓練を実施
南アフリカ共和国では、歴史的に不利な立場に置かれている南アフリカ人が経済活動に参加する機会を拡充し、南アフリカ経済の変革を促進するための政策であるBroad-Based Black Economic Empowerment(以下 B-BBEE)が行われています。
ブラザーインターナショナル(南アフリカ) (Pty) Ltd. (以下 BI(南ア))は、B-BBEEの一環で若者の雇用を促進するプログラムに協賛、就職の機会に恵まれない18歳から35歳までの若者に対して、BI(南ア)のオフィスや、さまざまな施設、企業で12カ月間、職業訓練の機会を提供しています。受け入れ先企業が優秀と認めた訓練生は正社員として雇用され、継続して能力開発が行われます。2022年度において、BI(南ア)はインターンとして14人を受け入れ、1人を正社員として雇用しました。継続して12カ月間以上の勤務経験があると他の就職先を見つけられる可能性が80%になる、という調査結果があり、恵まれない若者に技能開発や雇用の機会を提供することで、南アフリカにおける社会経済の発展に貢献しています。
2022年度の職業訓練では、ブラザー製品の実習と併せて、就業への移行を促進する初心者向けのプログラムなどさまざまなトレーニングを実施しました。また、システムやソフトウエアの開発・運用・管理などに携わるために必要な知識、スキルなどを習得し、職場で活用できるようにするためのコンピュータートレーニングも実施しました。その結果、参加者は、使用者の声に耳を傾けつつ、トレーニングで培ったコンピュータースキルと情報通信技術(ICT)を活用し、システムの操作改善に成功しました。また、参加者の14人のうち4人が、国家資格枠組みであるNQF(National Qualifications Framework)におけるレベル3相当の資格を取得しました。
加えて、2022年度、BI(南ア)は、恵まれない若者の能力開発に対する投資目標額を設定しており、2023年1月時点で、目標額の89%以上を投資しました。この支援は、学習や就業、起業面で若者たちの人生を大きく変えるきっかけになりました。
インターンに参加した実習生
BI(南ア)は、歴史的に不利な立場に置かれている南アフリカ人の管理職登用も積極的に進めています。その比率は、B-BBEEのスコアカードで目標に定められた60%に対し、BI(南ア)では50%となっています。
ブラザーグループは今後も、雇用均等を順守するために整備されたアファーマティブ・アクション*により、歴史的に不利な立場に置かれている管理職レベルの南アフリカ人の処遇を改善していきます。
- 積極的格差是正措置。女性や人種的マイノリティーなど過去における社会的・構造的な差別によって、現在不利益を被っている人々に対して、特別に雇用や教育の機会などを提供することで機会均等の実現を目指した措置のこと
放課後児童クラブ(学童保育所)へ通う子ども向け環境イベント「ブラザーアースキッズアカデミー」開催
夏休みに学童保育所で過ごす子どもたちに学びの場を提供
ブラザー工業は、2022年7月22日から8月24日の期間、学童保育所向け環境イベント「ブラザーアースキッズアカデミー」を開催しました。
「ブラザーアースキッズアカデミー」は、学童保育所で夏休みを過ごす子どもたちに対して、2018年度から実施しているイベントで、工作を通じて環境問題について学ぶ機会を提供しています。これまでに合計40回以上開催され、2,000人以上が参加しました。
2022年度は、学童保育所を訪問する「出前イベント」とオンラインイベントを合わせて12回開催し、400人が参加しました。
「出前イベント」では、子どもたちが絶滅危惧種に関する図鑑の制作を通じてその原因を学んだ後、絶滅危惧種が増加する原因の一つといわれている地球温暖化の仕組みや、温暖化防止につながる身近な取り組みについて、イラストやアニメーションを用いて学習しました。また、ブラザーのスキャンカットで切り出したパーツを使った名札作りや、ブラザーに関するクイズなども行い、地球環境について学ぶだけではなく楽しい夏休みの思い出も作ることができました。
スキャンカットで切り出したパーツを用いた名札づくりの様子
参加した子どもたちからは「工作も楽しかったし、地球温暖化の説明がわかりやすかった」という感想があったほか、学童保育所の指導員からは「工作が好きな子どもも多く楽しみにしていた」「子どもたちと一緒に地球温暖化について考えていく良いきっかけになった」という声が寄せられました。
環境イベント「ブラザーアースキッズアカデミー」出前イベントの様子
そのほか2022年度は、ブラザーグループ従業員の親子を対象とした環境イベントを名古屋市にある東山動植物園で開催するなど、子どもたちが環境問題についてより身近に感じることのできる機会を提供しています。
これらの活動などが評価され、ブラザー工業は、生物多様性保全に関して優れた取り組みを行っている企業として、愛知県から「あいち生物多様性優良認証企業」に認定されました。
ニュースリリースはこちらをご覧ください。
ブラザー工業はこれからも、持続可能な社会の実現に向け、地域への教育支援活動や、地球環境保全につながる取り組みを行うことで、SDGs4「質の高い教育をみんなに」、SDGs13「気候変動に具体的な対策を」、SDGs15「陸の豊かさも守ろう」に貢献していきます。