サステナビリティ

サステナビリティを重視した経営

サステナビリティを重視した経営の推進

サステナビリティ

サステナビリティを重視した経営の推進体制

サステナビリティ委員会

ブラザーグループでは、サステナビリティ基本方針に基づき、サステナビリティ委員会を設置しています。委員会は、マテリアリティを解決するための各種活動など、サステナビリティを重視した経営をグローバルに推進していくことを目的としています。

サステナビリティ委員会の体制

サステナビリティ委員会は、代表取締役社長を委員長としています。また、委員会には、定例会と必要に応じて委員長が招集する臨時会があり、各分科会のオーナーおよび常務以上の執行役員、事業統括執行役員、その他必要な機能として代表取締役社長が定める者により構成されています。

推進体制(2026年4月1日現在)

推進体制

DEI分科会 誰もが生き生きと活躍できる社会を実現し、ブラザーグループがさらなる多様性とエンゲージメントに満ちた職場をつくるための活動を推進

  • 分科会オーナー: 執行役員 兼 人事部長 岡田 英嗣
責任あるバリューチェーン分科会 ブラザーグループのバリューチェーンにおいて、事業に関わる人々の人権が尊重され、労働者に安全安心な職場を提供するための活動を推進

  • 分科会オーナー: 法務・環境・総務部長 可児島 俊
気候変動対応分科会 「ブラザーグループ環境ビジョン2050」における脱炭素社会への貢献、資源循環の最大化達成や生物多様性保全のための活動を推進

  • 分科会オーナー: 気候変動対応戦略部長 太田 滋之
ガバナンス分科会 ブラザーグループビジョン「At your side 2030」の実現に向け、事業ポートフォリオの変革を後押しするためのガバナンスを構築する活動を推進

  • 分科会オーナー: 専務執行役員 伊藤 敏宏
サステナビリティ・コミュニケーション分科会 社会からの要請に対応し、適切な情報発信を通じて、ステークホルダーの皆さまと長期的な信頼関係を築くための活動を推進

  • 分科会オーナー: コーポレートコミュニケーション部長 田丸 弓恵

サステナビリティ委員会における取り組み

サステナビリティ委員会は、サステナビリティに関する継続的な議論を行うことに加え、サステナビリティ課題における意思決定を行う場にもなっています。また、委員長は、委員会の活動計画および活動実績について、取締役会で定期的に報告を行うものとしています。

サステナビリティ委員会における主な議論内容

対象年度 開催回数 主な議論内容
2025年度 10回
  • 各分科会における実績、年間計画
  • 従業員エンゲージメント調査結果
  • TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)対応におけるWeb開示内容
  • サステナビリティ情報開示基準(SSBJ基準)対応に向けたロードマップ

事業を通じた社会課題解決

CO2排出削減と資源循環に貢献(プリンティング・アンド・ソリューションズ事業)

グループビジョン「At your side 2030」で掲げている「社会の発展と地球の未来に貢献する」を実現するために、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業では、省エネ・省資源など環境に配慮した製品の開発や取り組みを実施しています。その一例として、レーザープリンター・複合機で使用されたトナーカートリッジを回収、再生し、再びお客様にお届けしています。2023年度に、スロバキア工場でリサイクルされているトナーカートリッジ「TN-3512 RE」が、リサイクルカートリッジとしては世界で初めて、ブルーエンジェル認証*を取得しました。カートリッジを再利用してトナーを再充填することで、新品のカートリッジを生産することと比較して、資源の有効活用とともに、CO2排出削減につながります。
今後も地球環境に配慮した取り組みを強化していきます。

  • ドイツの連邦環境庁と品質保証・ラベル協会が運営している第三者認証の環境ラベル

ブルーエンジェル認証の授与(ブラザーインダストリーズ(スロバキア)s.r.o.にて) ブルーエンジェル認証の授与(ブラザーインダストリーズ(スロバキア)s.r.o.にて)

トレーサビリティ*・食の安全性への貢献(インダストリアル・プリンティング事業:ドミノ事業)

食の安全性を示すために、食品のトレーサビリティはとても重要です。ドミノ事業のコーディング・マーキング機器は、トレーサビリティに必要な、賞味期限や消費期限、ロット番号、製造所固有番号などを、缶、ビン、プラスチックといった容器などに高速で印字します。例えば、レトルトパウチ食品では、高温殺菌やアルコール消毒をしても印字された情報が消えないよう、加熱、水、アルコールなどに耐性のあるインクが必要です。ドミノ事業では、お客様の要望に合った多様なインクを提供することにより、トレーサビリティを通じて消費者へ安心・安全を提供したいお客様の価値創出に貢献しています。

  • 栽培や飼育から加工・製造・流通などの過程を明確にし、記録を保存すること

トレーサビリティ

小型であることと省エネ技術でCO2排出削減に貢献(マシナリー事業:産業機器事業)

当社の製品が納入される生産現場は、環境への負荷軽減と、高い生産性の両立が求められます。コンパクトマシニングセンタ「SPEEDIO(スピーディオ)」シリーズは小型設計により他社製品と比べて圧倒的に少ない消費電力で加工できることに加え、電源回生によって運動エネルギーを電気エネルギーに変換し再利用するなどのさまざまな省エネ技術を駆使し、お客様の生産現場における大幅なCO2排出削減とカーボンニュートラル達成に貢献しています。

  • 当社用意の加工プログラムで動作させた一例です

1サイクルの消費電力 1サイクルの消費電力

自動化・省人化による人手不足解消と生産性向上(ニッセイ事業)

製造・物流・小売業などにおいて、省人化・自動化のニーズが高まっています。ニッセイ事業が提供する歯車や減速機は、産業用ロボットや無人搬送車、工作機械などに搭載され、お客様の多様なニーズにお応えしています。特に、高剛性減速機*「UXiMO(アクシモ)」は、軽量・小型ながら高い剛性を兼ね備えており、ロボットの小型化や高精度かつ高速駆動に貢献することで、生産現場などにおける労働力不足の解消だけではなく、生産性向上にも貢献しています。

  • 高い剛性と精密な位置決めが必要な機械などで使用される減速機

ニッセイ

ブラザー製品を通じたアップサイクルの推進(パーソナル・アンド・ホーム事業)

大量生産・大量消費の時代から持続可能なモノづくりの時代へとシフトする中、SDGs達成のための手段として、世界中で注目されているのがアップサイクルです。アップサイクルとは、本来廃棄されるはずのものに手を加え、新たな価値を生み出して再生することです。
パーソナル・アンド・ホーム事業では、ミシンやカッティングマシンを活用したアップサイクルについて、社内外での情報発信や体験の場の提供を通じて、自社製品を活用した持続可能な社会づくりを推進しています。
その取り組みの一環として、日本の中学校でSDGs教育が推進されていることを踏まえ、アップサイクルに関するワークショップを開催しました。このワークショップでは、生徒たちが不要になったシャツやハンカチなどを持ち寄り、アップサイクル作品を製作することで、アップサイクルをより身近に感じ、地球環境やSDGsへの貢献意識を醸成することを目的としています。
また、海外の販売拠点でも、アップサイクルに関する情報発信やワークショップを開催しており、限りある資源を有効に活用する方法の一つとして、アップサイクル文化の普及に努めています。

アップサイクルに関するワークショップの様子 アップサイクルに関するワークショップの様子(ブラザーインターナショナル(ガルフ)FZEにて)

グローバル憲章の社内共有

すべての活動の礎「ブラザーグループ グローバル憲章」とサステナビリティを重視した経営に向けて

ブラザーグループが、お客様や社会に対し優れた価値をグローバルに創出するとともに、サステナビリティを重視した経営を推進していくために、すべての活動の礎であるグローバル憲章の社内共有を図っています。

グローバル憲章には、「"At your side."の精神で、優れた価値を創造し迅速に提供する」「あらゆる変革を恐れず、グローバルな視点で経営を行う」「最高度の倫理観を持って行動する」といったブラザーグループの根幹となる考え方が示されています。
グループで約4万人の従業員一人ひとりが、グローバル憲章を日々の判断や行動で体現し、ステークホルダーの皆さまが求める価値を創造し迅速に提供することで、信頼される企業を目指しています。
グローバル憲章は、すべての従業員が正しく理解し常に意識できるよう、欧米やアジアの各言語に翻訳し、携帯用のポケット版カード(27言語)とポスター(29言語)を各拠点に配布しています。

ポケット版カードとポスター ポケット版カードとポスター

「グローバル憲章共有度調査」の実施

ブラザーグループでは、2009年以降、「グローバル憲章共有度調査」と呼ばれる従業員意識調査*をグローバルで年1回実施しています。その調査結果はブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)の社長をはじめとする全執行役員が参加する会議で報告されるとともに、拠点単位で結果のフィードバックと課題の見える化が行われています。

2025年度の調査では、グローバル憲章を意識した行動の度合いが5段階中4.41となり、過去10年続けて4.25以上のスコアを維持しています。また、ブラザーグループビジョン「At your side 2030」を意識した行動の度合いについても調査しており、2025年度は5段階中4.38という結果になりました。

さらに、調査で明らかになった課題の改善に向けて、お客様からの信頼獲得、社会課題への対応、ビジネスパートナーとの協業体制の強化、従業員の成長と連携促進など、グローバル各拠点でさまざまな取り組みを進めています。

グローバル憲章共有度調査の結果*1(5段階評価*2)

調査結果

  1. ドミノ関連会社、株式会社ニッセイを除く
  2. 「5.とてもそう思う」「4.そう思う」「3.どちらでもない」「2.そう思わない」「1.まったくそう思わない」の5段階

グローバル憲章共有活動

ブラザーグループは、グローバル憲章に基づく一人ひとりの行動をさらに促進するため、グローバルで以下の活動を行っています。

経営層によるグローバル憲章 コミットメント(約束)の策定・発信

ブラザーグループ各拠点の経営層は毎年、グローバル憲章のキーワードに基づいてどのように行動するのかを宣言する「コミットメント(約束)」を策定しています。
2022年度からは、ビジョン「At your side 2030」の実現に向けて、コミットメントの内容を進化させるとともに、宣言する対象を管理職(上級職)層にまで広げました。2025年度は経営層と管理職を合わせて770人がそれぞれのコミットメントを掲げ、その内容はすべてイントラネット上で共有されています。

コミットメントの内容は、次の2点に焦点を当て、リーダーとしての自身の役割と行動を整理できるものとなっています。

  1. 「At your side 2030」実現に向けた私のミッション
  2. 私のミッション実現に向けた「自身のコミュニケーションの強化」および「部下や同僚の成長促進」のための行動目標

また、従業員への働きかけとしてトップメッセージの発信や対話の機会をつくっています。2025年度は、経営層からのメッセージは41件発信され、直接対話はグローバルで約4,400回実施されました。

ほかにも、ブラザー工業では、グローバル憲章や"At your side."の精神について経営トップによる率先垂範の行動を議論する機会を設けています。2009年からは「グローバルCSR・ブランド会議」を開催し、自身のリーダーシップについて振り返る時間を設けてきました。2022年度からは、社長をはじめとする執行役員が一堂に会する「"At your side."トップミーティング」としてさらに進化しています。

2025年度のミーティングでは、冒頭で社長がブラザーの企業風土における強みと課題、グローバル憲章に基づく自身のコミットメントについて語りました。さらに、中期戦略で掲げた「挑む。未来へ、大胆に」を単なるスローガンで終わらせず、従業員一人ひとりの「大胆に挑む」行動につなげるため、ブラザーが持つ強みや企業風土をさらに磨き上げていく重要性を強調しました。
続いて、参加者22人が7チームに分かれ、挑戦を生む企業風土や従業員の巻き込み方についてディスカッションを行いました。ディスカッションでは、「課題の発見にこそ『大胆さ』が必要」「トップと従業員がフラットでオープンなコミュニケーションを取り、同じ方向を向くことが重要」といった意見が出され、リーダーシップや目指す姿を改めて考える良い機会となりました。

2025年度の"At your side."トップミーティングの様子 2025年度の"At your side."トップミーティングの様子

新入社員研修・経験者採用者研修におけるグローバル憲章共有活動の実施

毎年の新入社員研修では、グローバル憲章について知り、考える時間を設けています。
2026年4月には、グローバル憲章に基づく自分自身の今後の行動を考える研修を実施し、新入社員150人*が参加しました。

グローバル憲章について考える研修は、経験者採用者に対しても実施しており、入社後にブラザーグループ共通の価値観を理解し、行動に結びつける機会としています。

新入社員研修におけるグローバル憲章共有活動の様子 新入社員研修におけるグローバル憲章共有活動の様子

  • ブラザー工業株式会社、ブラザー販売株式会社、株式会社ビートップスタッフ、老人保健施設瑞穂の合計

ベトナム生産拠点における自律的なグローバル憲章共有活動~「提案しやすい風土づくり」に向けて~

グローバル憲章を組織のミッションと結び付け、日々の業務や意思決定に反映する取り組みを、グローバルでも展開しています。

ベトナムの生産拠点であるブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.では、2025年度、「提案しやすい風土づくり」をテーマに社長と現地の管理職が中心となって独自の取り組みを進めました。具体的には、社長が掲げる「チャレンジすること、チャンスを逃さない姿勢、前向きにチェンジすること」という行動指針を日々の業務に落とし込む方法を管理職全員で話し合いました。
さらに、「提案しやすい風土づくり」に向けて、部下との接し方をワークショップ形式で議論し、「チャレンジをたたえるための声掛け」「ミスが発生した時の対応」「反対意見の歓迎」など、チャレンジを後押しする職場づくりに向けて、管理職一人ひとりが具体的な行動を考えました。

ブラザーインダストリーズ (サイゴン)Ltd.における共有活動の様子 ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.における共有活動の様子

各拠点における「グローバル憲章共有リーダー」の任命

ブラザーグループでは、拠点ごとに従業員の中から「グローバル憲章共有リーダー」を任命しています。共有リーダーは、組織におけるグローバル憲章の共有と再解釈を推進し、グローバル憲章共有活動をけん引する役割を担います。本取り組みにより、各拠点の従業員がグローバル憲章を深く理解し、単なる認知にとどまらず日々の業務における実践へとつなげています。
2025年度には、責任者が任命した470人の共有リーダーがグローバル憲章共有活動を推進しました。2026年度もこの活動は継続され、グループ全体でグローバル憲章に基づいた行動の実践が広がっています。

共有リーダー会の実施

日本、中国、ベトナムでは、各拠点の共有リーダーが各国で一堂に会し、意見交換や学び合いを行う場を定期的に設けています。

日本では、2025年度、共有リーダー約100人が参加する共有リーダー会を3回開催しました。この会議では、各拠点・部門のグローバル憲章の展開事例をもとに、自部門で活用できる取り組みを洗い出すなど、共有活動のさらなる進化に向けた議論が行われました。また、トップメッセージ動画の視聴を通じて、「顧客価値の重要性」「自分たちのミッションの意義」などを改めて確認し、会社の目指す方向性への理解と共感をさらに深めました。

中国では2014年から、ベトナムでは2017年から、拠点を超えた連携強化や好事例の共有を目的とした、「横串会議」を実施しています。中国では生産、販売、開発の計8拠点、ベトナムでは生産、販売の計3拠点が参画し、事業や拠点を横断して意見交換を行うことから「横串会議」と名付けられました。横串会議では、各拠点の「チャレンジ風土の醸成」に向けた活動計画や成果を共有しています。さらに、グローバル憲章に基づくチャレンジ行動を実践した従業員を表彰する「チャレンジャー表彰」を実施し、チャレンジ風土の醸成を促進しています。
2025年度は、中国とベトナムでそれぞれ2回ずつ横串会議を開催しました。中国では、販売拠点の一つである兄弟機械商業(上海)有限公司、ベトナムでは生産拠点の一つであるブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.の見学も行い、拠点間での学び合いが活発に進められました。

中国横串会議の様子 中国横串会議の様子 ベトナム横串会議の様子 ベトナム横串会議の様子

横串会議参加者

横串会議参加者の声①
~横串会議で実感した一体感と業務のやりがい~

兄弟機械(西安)有限公司人事・行政課
李 演

私は、中国の7拠点が一堂に会する「中国横串会議」に全2日間参加しました。本会議では、各拠点におけるグローバル憲章に基づく優れた行動事例が共有され、ブラザーグループ全体が一体感を持ってビジョン実現に向かっていることを改めて実感しました。また、拠点間の交流や意見交換を通じて横のつながりを深めるとともに、自分の業務とグローバル憲章とのつながりや仕事のやりがいについても再認識することができました。今回得られたヒントや経験を、今後の自社でのグローバル憲章共有活動に積極的に生かし、より効果的な取り組みを通じて、さらなる一体感の醸成に貢献していきたいと考えています。

横串会議参加者

横串会議参加者の声②
~他拠点との交流による学び~

ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.(以下BISG) 管理部
Ha, Le

私は、ベトナムにおけるブラザーグループ3拠点が集まる「ベトナム横串会議」に全2日間参加しました。会議では、BISGにおけるグローバル憲章共有活動など、私たち独自の取り組みを紹介しました。さらに、他拠点の活動も共有され、優れた事例をもとに意見交換を行うことで、異なる視点や新たなアイデアを得ることができました。また、中期戦略「CS B2027」の概要や社長からのメッセージが伝えられ、ブラザーグループとして目指す方向性をより深く理解することができました。今回得た学びを、今後のBISGの取り組みに生かし、グローバル憲章共有活動をさらに進化させていきたいと考えています。

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