サステナビリティ

サステナビリティを重視した経営

サステナビリティを重視した経営の推進

サステナビリティ

推進体制

ブラザーグループでは、サステナビリティ基本方針に基づく、マテリアリティへの取り組みを中心とした各種活動をグローバルに推進し、サステナビリティを重視した経営を進めていくことを目的として、代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ委員会を設置しています。
サステナビリティ委員会には定例会と必要に応じて委員長が招集する臨時会があり、各分科会のオーナーおよび常務以上の執行役員、事業統括執行役員、その他必要な機能として代表取締役社長が定める者により構成されています。またサステナビリティ委員長は、定期的に取締役会において、サステナビリティ委員会の活動計画および活動実績について報告を行うものとしています。
2022年4月には第1回となる委員会を開催し、各分科会の目標設定に関して審議をしました。2022年8月には3度にわたる委員会での議論を経て、ブラザーの価値創造プロセスを策定しました。2022年度は計7回委員会を開催し、サステナビリティに関する継続的な議論を行いました。
サステナビリティ委員会の傘下には、特定分野における各種活動を推進するため、3つの分科会を設置しました。2022年度の活動を経て、より部門横断でサステナビリティを重視した経営を推進するために体制を見直し、2023年4月から以下6つの分科会体制に変更しました。

価値創出支援分科会 ブラザーグループが製品・サービスの提供を通じてお客様の価値創出を支援し、お客様から支持を得るための活動を推進
DEI分科会 誰もが生き生きと活躍できる社会を実現し、ブラザーグループがさらなる多様性とエンゲージメントに満ちた職場をつくるための活動を推進
責任あるバリューチェーン分科会 ブラザーグループのバリューチェーンにおいて、事業に関わる人々の人権が尊重され、労働者に安全安心な職場を提供するための活動を推進
気候変動対応分科会 「ブラザーグループ環境ビジョン2050」における脱炭素社会への貢献、資源循環の最大化達成のための活動を推進
コーポレートガバナンス分科会 ブラザーグループのビジョン実現と、そのための経営戦略の実効性を促進するコーポレートガバナンス構築のための活動を推進
サステナビリティ・コミュニケーション分科会 社会からの要請に対応し、適切な情報発信を通じて、ステークホルダーの皆さまと長期的な信頼関係を築くための活動を推進

推進体制

推進体制

推進活動

すべての活動の礎「ブラザーグループ グローバル憲章」と持続可能な経営に向けて

ブラザーグループが、事業を通じた社会価値をグローバルに創出するとともに、サステナビリティを重視した持続可能な経営を推進していくために、すべての活動の礎であるグローバル憲章の社内共有を図っています。

グローバル憲章には、「"At your side."の精神で、優れた価値を創造し、迅速に提供する」「あらゆる変革を恐れず、グローバルな視点で経営を行う」「最高度の倫理観を持って行動する」といったブラザーグループの根幹となる考え方が示されています。
グループで約4万人の従業員一人ひとりが、グローバル憲章を日々の判断や行動で体現し、ステークホルダーの皆さまが求める価値を創造し迅速に提供することで、信頼される企業を目指しています。
グローバル憲章は、すべての従業員が正しく理解し常に意識できるよう、欧米やアジアの各言語に翻訳し、携帯用のポケット版カード(26言語)とポスター(28言語)を各拠点に配布しています。

ポケット版カードとポスター ポケット版カードとポスター

グローバル憲章共有活動

ブラザーグループは、グローバル憲章に基づく一人ひとりの行動をさらに促進するため、以下のような共有活動をグローバルで行っています。

経営層からグローバル憲章 コミットメント(約束)の策定・発信

ブラザーグループ各拠点の経営層は毎年、グローバル憲章に基づくコミットメント(約束)を策定し、率先して行動に示すとともに、従業員への働きかけとしてトップメッセージの発信や対話の機会をつくっています。2021年度は、経営層からのメッセージは52件発信、直接対話は約4,500回と、過去最多となりました。

「グローバル憲章共有リーダー」の任命、共有リーダー会の実施

各拠点や部門ごとに責任者が任命した530人を超える「グローバル憲章共有リーダー」が、年度計画を立案し、その展開実績の振り返りを図るなど、組織の役割や課題に即して従業員一人ひとりの行動を促進するさまざまな活動を行っています。

また、日本や中国、ベトナムでは、各組織の共有リーダーが一堂に会する共有リーダー会を定期的に実施しています。共有リーダー会では、各組織で取り組んでいる共有活動の課題のほか、グローバル憲章に基づいた従業員の行動によって生産性が向上した事例やお客様のニーズに対応した事例をもとに話し合い、自拠点の活動に生かすヒントを得るなど、開発・生産・販売といった担当業務の枠を超えた学びの場にもなっています。

「グローバル憲章共有度調査」の実施

ブラザーグループでは、2008年以降、「グローバル憲章共有度調査」と呼ばれる従業員意識調査をグローバルで年1回実施しています。その調査結果はブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)の社長をはじめとする全執行役員が参加する会議で報告されるとともに、拠点単位で結果のフィードバックと課題の見える化が行われています。また、その調査で得られた課題を改善する活動は、お客様への信頼、社会課題への対応、ビジネスパートナーとの協業体制の強化、従業員の成長と連携などをテーマとして、グローバル各拠点で展開されています。

グローバル憲章共有活動と持続可能な開発目標(SDGs)、ブラザーグループビジョン「At your side 2030」

グローバル憲章共有活動は、2019年からSDGsという視点を新たに取り入れ、SDGsに対する経営層や従業員の意識向上を図る活動となっています。

各部門やグループ拠点では、グローバル憲章を共有するにあたり推進してきた「自己宣言」や、組織横断のリーダー会などの仕組みを活用し、SDGsに対する行動を促進するための活動を展開しました。また、経営層がイントラネットで、SDGs達成に向けた貢献の重要性についてグループ従業員向けにメッセージを発信しています。

さらに、2021年度からはブラザーグループビジョン「At your side 2030」の視点も組み込んでいます。
ブラザー工業は、さらなる成長と持続的な企業価値の向上を目指し、2022年度から2030年度までのブラザーグループビジョン「At your side 2030」を策定しました。そこで、グローバル憲章共有活動に、「グローバル憲章は、「At your side 2030」にどのように結びつくのか」という観点を組み込むことで、グローバル憲章とビジョン両方の観点から従業員自身の行動を考えることができる活動に進化させました。この活動では、6,000を超えるチームや従業員の「行動宣言」がグローバルに共有されました。

グローバル憲章ワークショップ

グローバル憲章共有活動の一つであるグローバル憲章ワークショップは、拠点での課題解決に結びつけるという大きな特色があります。

南アフリカの販売会社 ブラザーインターナショナル(南アフリカ) (Pty) Ltd. (以下 BI(南ア))では2021年9月、グローバル憲章共有活動とSDGsの結びつきを考え、課題解決を目指すオンラインでのワークショップを開催しました。
ワークショップでは、「BI(南ア)で働く従業員が持つ多様な価値観を大切にしたい」「『信義と尊敬』を実現する組織としてさらなる成長を目指したい」といった課題意識のもと、「わたしは、SDGsのどのゴールにどのような貢献ができるか」というテーマで、一人ひとりが自己宣言をしました。

BI(南ア)でのオンラインワークショップ BI(南ア)でのオンラインワークショップ 自己宣言シートの一例 自己宣言シートの一例

ビジョン共有活動

「ブラザーグループ グローバル憲章」とビジョンの「自分ごと化」

ブラザーグループでは、ブラザーグループビジョン「At your side 2030」の実現に向け、ビジョンの理解や共感を深めるための共有活動を展開し、ビジョンの「自分ごと化」を推進しています。

国内でのビジョン共有活動

ブラザーグループの各拠点における経営層は、毎年グローバル憲章に基づくコミットメント(約束)を策定し、グローバル憲章のキーワードに基づいてどのように行動するのかを宣言、年度末には行動を振り返り、PDCAサイクル(Plan:計画、Do:実行、Check:評価、Action:改善活動)を回しています。

2022年度は、「At your side 2030」の実現に向けて、ビジョンを自分ごととして捉えるコミットメントに変更するとともに、宣言する対象をブラザー工業内においては管理職(上級職)層にまで広げました。
具体的には、グローバル憲章と自分の仕事の結びつきを整理しながら、

  • 「At your side 2030」実現に向けた私のミッション
  • 私のミッション実現に向けた「自身のコミュニケーションの強化」および「部下や同僚の成長促進」のための行動目標

について、上級職約800人がコミットメントを掲げ、イントラネットで共有しています。

また、新入社員研修のプログラムで、グローバル憲章とブラザーグループビジョン「At your side 2030」 を考える時間を設け、新入社員99人*に対する共有活動を行いました。新入社員一人ひとりが、ビジョン実現に向け、自分たちは何を目指していくのかを議論することで、ビジョンと今後の行動に対する結び付きをイメージする時間となりました。

グローバル憲章とビジョン共有活動の様子(新入社員研修) グローバル憲章とビジョン共有活動の様子(新入社員研修)

  • ブラザー工業株式会社、ブラザー販売株式会社、ブラザー不動産株式会社、ビーエム工業株式会社の合計

グローバルでのビジョン共有活動

ブラザーグループビジョン「At your side 2030」を自分たちの業務に結び付けて語り合い、今後の行動につなげていく取り組みをグローバルにも展開しています。

グローバルでのビジョン共有活動の一つに、チームで行動宣言を掲げるワークショップがあります。このワークショップでは、はじめに参加者がビジョンの内容を紹介する動画を視聴します(動画は日本語、英語、中国語、ベトナム語の4言語で展開)。その後、ビジョンの「あり続けたい姿:世界中の"あなた"の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献する」に示された"あなた"について、「我々の業務の中で"あなた"とは誰を指すのでしょうか?」「"あなた"を理解するために今後心がけたいことは何でしょうか?」「我々を含む"あなた"の困り事とその解決策について考えられることは?」などの問いをもとにチームで議論します。そして、議論を踏まえ、チームとしての行動宣言へとまとめていきます。

このビジョン共有ワークショップには、2022年7月現在で、約6,300人の従業員が参加し、各拠点が自律的に活動しています。

掲げられた行動宣言(一部抜粋)

  • 私たちにとって"あなた"とは、製造現場、後工程のほか、周りのメンバーや製品を使ってくださるお客様です。
    その"あなた"の困り事を見つけるために現場を理解し、メンバーを理解し、製品を理解するためにコミュニケーションを大切にします。そして、"あなた"に価値を提供するために情報を収集し、知識を高め、自らのレベルを上げ、レベルの高い課題にチャレンジします。(製造部門)
  • 積極的にお客様を訪問し現場を見ることで、困り事に気付き、また、気付くための感性を養います。オンライン・オフラインの展示会や学会、業界紙などで技術トレンドを収集し、製品価値向上につなげていきます。(技術部門)
  • "あなた"をチームメンバーと捉え、開発スキルの教育を強化し、メンバーたちの成長を促進します。(開発部門)

また、フィリピンの販売会社 ブラザーインターナショナル(フィリピン)コーポレーション(以下、BIC(P))では、ブラザーグループビジョン「At your side 2030」をもとに、自社独自のビジョン・ミッションを見直すプロジェクトを進めました。このプロジェクトでは、次代を担う28人が参加し、2030年の目指す姿を描くとともに、チャレンジを重ねることの意義、自分たちの持つ情熱や志を言葉にしました。2022年7月には、全従業員で共有を図る場を設け、社内全体でビジョン達成に向けた未来について考えることができました。
BIC(P)の社長からは、「『このビジョンはわたしにとって、どのような意味を持つのか』と問いかけ、そこに自分たちなりの答えを見いだし、お客様や社会にとっての価値を生み出す会社となることを、私たちは目指します。」という宣言がありました。

ビジョン共有活動の様子(BIC(P)) ビジョン共有活動の様子(BIC(P))

ブラザーグループは、ビジョンを自分の言葉で表現し、一人ひとりの日常行動に結び付けていくことで、ビジョンの「自分ごと化」をグローバルで推進しています。

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