パリ協定に賛同し温室効果ガス排出量を実質ゼロにする脱炭素社会形成へ貢献
2050年、ブラザーグループは、あらゆる事業活動のカーボンニュートラル*とバリューチェーン全体のCO2排出最小化を目指し、脱炭素社会の形成に貢献している。
- ブラザーグループから排出するCO2を全体としてゼロにする
主な取り組み:太陽光発電の導入、空調設備の更新、生産設備の更新・省エネ化等など
CO2排出削減目標に対する進捗
「ブラザーグループ環境ビジョン2050」では、2030年度中期目標として、スコープ1・2において、「2015年度比65%削減」およびスコープ3のカテゴリー1・11・12において、「2015年度比30%削減」を掲げています。2020年度は、スコープ1・2で2015年度比-41.6%、スコープ3のカテゴリー1・11・12で-15.8%削減しました。
2030年度中期目標*
対象範囲
- スコープ3のC1・C11・C12は、2021年に算定方法を変更したため、2015年度(基準年)にさかのぼって検証を受けました。
- 「2030年度 中期目標」は、温室効果ガスの排出削減目標達成を推進するために設立された国際的なイニシアチブ「Science Based Targets(SBT)」より、科学的根拠に基づいた目標として認定されています。
スコープ1・2・3の温室効果ガス(GHG)排出量
2020年度、2018年度より取り組んできた、温室効果ガス含有溶剤の使用を削減することで、スコープ1・2の2030年度中期目標を10年以上前倒しで達成しました。2021年度に上方修正した新たな目標を掲げ、2015年度比で65%削減にチャレンジをしていきます。同時に、温室効果ガスの排出削減目標達成を推進するために設立された国際的なイニシアチブ「Science Based Targets (SBT)」より認定された「2℃目標」についても、上方修正する予定です。スコープ3については、引き続き製品の省エネ性能向上等に取り組んでおり、スコープ3のカテゴリー1・11・12において2015年度比で-15.8%を削減しました。今後も、調達・開発・製造・物流・販売・サービスが一体となって温室効果ガスの排出量削減にチャレンジしていきます。
スコープ1・スコープ2・スコープ3
スコープは、温室効果ガスのサプライチェーン排出量における構成要素。三つに分類する事で、重複する算定を最小化し、対象ガスの特定を可能にしている。
- スコープ1:事業者自らによる温室効果ガスの直接排出
- スコープ2:他者から供給された電気、熱・蒸気の使用に伴う間接排出
- スコープ3:スコープ1・スコープ2以外の間接排出(事業者の活動に関連する他者の排出)
2016~2020年度のISO 14064に基づいたスコープ1・2・3の温室効果ガス(GHG)排出量
カテゴリー | CO2排出量t-CO2換算値 | ||||||
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2016年度 | 2017年度 | 2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | |||
スコープ1:直接排出 | 72,819 | 67,068 | 21,622 | 17,363 | 18,356 | ||
スコープ2: エネルギー起源の間接排出 |
ロケーション基準 | 123,093 | 122,220 | 120,199 | 107,833 | 98,508 | |
マーケット基準 | 122,244 | 118,524 | 122,599 | 107,285 | 98,685 | ||
スコープ3:その他の間接排出 | 3,001,247 | 3,522,096 | 3,293,722 | 2,809,046 | 2,752,567 | ||
C1 | 購入した製品・サービス | 1,396,926 | 1,613,936 | 1,559,654 | 1,351,272 | 1,302,661 | |
C2 | 資本財 | 59,849 | 68,872 | 57,780 | 56,658 | 75,897 | |
C3 | 燃料およびエネルギー関連活動 | 10,305 | 11,334 | 12,247 | 10,955 | 10,987 | |
C4 | 輸送、配送(上流) | 86,629 | 70,416 | 83,395 | 80,691 | 103,148 | |
C5 | 事業から出る廃棄物 | 3,357 | 3,452 | 2,960 | 3,680 | 4,138 | |
C6 | 出張 | 4,895 | 4,528 | 4,414 | 3,663 | 1,558 | |
C7 | 雇用者の通勤 | 14,326 | 15,689 | 15,557 | 14,247 | 14,698 | |
C8 | リース資産(上流) | 4,312 | 7,211 | 6,288 | 5,176 | 4,642 | |
C9 | 輸送、配送(下流) | 18,238 | 16,017 | 16,534 | 15,312 | 14,671 | |
C10 | 販売した製品の加工 | - | - | - | - | - | |
C11 | 販売した製品の使用 | 1,153,210 | 1,426,816 | 1,240,830 | 998,441 | 968,174 | |
C12 | 販売した製品の廃棄 | 247,470 | 282,000 | 292,281 | 267,207 | 250,107 | |
C13 | リース資産(下流) | 1,729 | 1,729 | 1,742 | 1,742 | 1,886 | |
C14 | フランチャイズ | - | 97 | 39 | - | - | |
C15 | 投資 | - | - | - | - | - | |
スコープ1・2・3の合計 | ロケーション基準 | 3,197,159 | 3,711,384 | 3,435,543 | 2,934,242 | 2,869,431 | |
マーケット基準 | 3,196,310 | 3,707,688 | 3,437,943 | 2,933,694 | 2,869,608 |
ロケーション基準に関する排出係数の出典は下記です。
- IEA - EMISSION FACTORS 2019
- GHG Protocol - Calculation tools
- DEFRA
対象範囲
- スコープ3のC1・C11・C12は、2021年に算定方法を変更したため、2015年度(基準年)にさかのぼって検証を受けました。
外部保証
CO2排出削減の取り組み
経済発展と環境保全が両立する社会の実現に対する関心が国際的に高まる中で、ブラザーグループは、事業成長と環境調和の好循環を共創・推進することによって、持続的発展が可能な社会への貢献を目指しています。
特にブラザーインダストリーズ(U.K.)Ltd.(以下、BIUK)およびブラザーインダストリーズ(スロバキア)s.r.o.(以下、BISK)においては、再生可能エネルギーに基づく電力の購入を開始しており、カーボンニュートラル実現のための活動計画を進めています。
BIUKは「カーボンニュートラル」の認証を取得すべく取り組んでいます。
BISKは、CO2排出量と光熱費の削減を両立させながら環境パフォーマンスの向上を図るために、自然エネルギーを積極的に生かし、地下水の温度を利用した空調システムと太陽光発電システムを組み合わせたエネルギーシステムを、2020年12月から稼働しています。地下水温を使用した空調システムでは、BISK敷地内にもともとあった井戸を活用しました。
BISKでのエネルギーシステムは、EUグリーンエネルギーイニシアチブからの補助金対象事業に認定されました。
スロバキアは冬場と夏場の気温差が大きく、これまで暖房・冷房時に多くのガスエネルギーが消費されていましたが、本システムの導入により、空調の動力源をガスエネルギーから自然エネルギーへ切り替え、ガス消費時に発生するCO2排出量を大幅に削減でき、環境負荷低減に大きな貢献ができています。
本システムにて使用される地下水汲み上げポンプは、太陽光発電によって生み出されたエネルギーで稼働しており、年間を通じてCO2排出量の削減に貢献しています。太陽光発電での余剰エネルギーは、工場で使用されています。
空調システムの飛躍的改善は、従業員に対して、より快適な職場空間を提供できるようになり、BISKが進めている地域で最も働きがいのある企業を目指すSDGsの取り組みにもつながっています。
外部に依存していたこれまでのエネルギー調達方法と利用方法を抜本的に見直し、安定的なエネルギーを工場内で生成し利用できるようになりました。これにより、国際的な政治経済の動向による地政学的リスクに対して、エネルギーシステムの強靭化をはかることができました。
屋上を利用した太陽光発電システム
地熱エネルギーを暖房/冷房に変換する熱交換ユニット
工場およびオフィスの暖房冷却ユニット
CO2排出削減ストーリー
お客様と地球環境を考えた、ブラザー製品の省エネ性能。
HL-L5000Dは、お客様の一週間あたりの消費電力量が1.764(kWh/Week)。これは、前機種と比べ16%、前々機種と比べ26%の削減です。
ブラザーは、環境に配慮したよりよい製品をお届けする企業として、弛まない努力を続けています。
※TEC試験方法に準拠して算出しています。