サステナビリティ

環境(E)

資源循環・廃棄物削減

サステナビリティ

  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任つかう責任

地球のアイコン

ブラザーグループ 環境ビジョン2050

事業活動における資源の持続可能な利用と廃棄物による環境負荷を最小化

GOAL

2050年に向けて、ブラザーグループは、資源循環の最大化により、資源の持続可能な利用と廃棄物による環境負荷の最小化を目指す。

主な取り組み:循環経済型ビジネスの拡大、製品・部品のリユース、リサイクル材使用など

資源循環・廃棄物削減・水削減目標に対する進捗

「ブラザーグループ環境ビジョン2050」では、資源循環に関する2030年度中期目標を2つ掲げています。これらの目標達成に向け、製品作りおよび生産活動において、資源循環を推進し廃棄物や水利用量の削減に取り組んでいます。

2030年度中期目標

  1. 循環経済型ビジネスの拡大と資源の再生利用により、2030年度までに製品*1に投入する新規資源率を65%以下*2とする
  2. グループ生産拠点において継続的に水資源の効率的な利用と適正処理による排水に努めている
  • 包装材を含む
  • 対象は、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、マシナリー事業、パーソナル・アンド・ホーム事業

また、「CS B2024」の2024年度目標として、製品に投入する新規資源率81%以下を掲げて、資源循環の推進に取り組んでいます。さらに、水資源の効率的な利用と排水の適正処理にも取り組んでいます。

2023年度は、製品に投入している新規資源量について第三者による検証を受け、新規資源率が79.2%であることを確認し、1年前倒しで目標を達成しました。

製品における資源循環・廃棄物削減の取り組み

ブラザーグループは、天然資源の枯渇や廃棄物による汚染などの資源利用に伴う環境課題への対策と、CO2排出量削減のため、資源循環を推進しています。
製品に使用しているリサイクルプラスチック材の量を増加させる、プラスチック製の部品を紙系材料に変更する、リユース品の活用を促進するなどの資源の再生利用により、製品に使用する総資源量に対する新規資源の比率を65%以下とすることを目指し、活動に取り組んでいます。

環境配慮トナーカートリッジパッケージ

従来トナーカートリッジの緩衝部材には発泡スチロールが用いられていましたが、プラスチック使用量削減の取り組みとして段ボールで構成された緩衝部材へ変更しました*
再資源性にも優れた段ボールを採用することで、リサイクル性の向上にも貢献しています。

  • 2024年4月より日本国内の一部の製品で開始。順次、適用する製品の拡大を予定。

発泡スチロールから段ボールへの変更 発泡スチロールから段ボールへの変更

小型軽量パルプモールド緩衝材

製品全体を覆う従来の緩衝材の小型・省資源化をブラザーの技術力で実現することで、緩衝材のCO2排出量を33%削減し、製品箱の容積も7%縮小できました。さらに、独自開発したパルプモールド緩衝材の落下シミュレーションを活用することで、試作回数の削減に加え、開発期間も大幅に短縮し、設計効率も向上できました。

緩衝材の小型・省資源化 緩衝材の小型・省資源化 パルプモールド緩衝材の落下シミュレーション パルプモールド緩衝材の落下シミュレーション

未来の地球環境のために、リサイクルの可能性を切り開く。

ヨーロッパでは、リサイクルに適した新開発のトナーカートリッジの採用により2004年からリサイクルがスタート。
リサイクル自動化システムの導入により、リサイクルしたカートリッジも新品同等の高品質でお届けしています。
2014年には、英国のNPO団体「ビジネス イン ザ コミュニティ」による「レスポンシブル ビジネス アワード2014」において、名誉ある2つの賞を受賞。地域や環境への貢献が認められています。

「カートリッジリサイクル」の技術としくみの動画

SDGs STORYのコンテンツ

生産における資源循環・廃棄物削減の取り組み

継続的な廃棄物削減活動により、2019年度から2023年度まで売上高原単位での生産系廃棄物は連続して減少しています。特に2023年度は前年度と比較し、売上高原単位で約14%削減となりました。一方、ブラザー工業における2023年度のプラスチック類の排出量は512tとなり、建屋の建て替えによる廃棄量が増加したため2022年度比で約10%の増加となりました。

兄弟機械(西安)有限公司では、高効率な熱循環機能を備えた真空蒸留廃液処理システム装置を導入し、廃液量を約88%削減することができました。さらに同工場では、ウエスの再利用も継続的に行っています。また兄弟高科技(深圳)有限公司では、通い箱などを作成する材料として、工場内のプラスチック部品の成形工程から発生した廃材料を活用しています。

2023年度の有害廃棄物(特別管理産業廃棄物)は、昨年度よりも増加しました。星崎工場内の建屋移設に伴う一時的な排出増が原因であり、2025年度には低減に向かう予定です。行政に特別管理産業廃棄物処理計画書を提出して、計画的に削減を進めていきます。

兄弟機械(西安)有限公司:廃液処理装置 兄弟機械(西安)有限公司:廃液処理装置

生産系廃棄物量の推移

ブラザー工業の有害廃棄物の発生量推移
2021年度 2022年度 2023年度
有害廃棄物の発生量(t) 39.0 55.0 68.3

水利用量削減の取り組み

安全な水資源の確保は、世界共通の環境に関する重要課題の一つです。ブラザーグループは、多くの国と地域に生産拠点を持つ企業の責務として、すべての拠点に対して定期的なモニタリングを実施するとともに、拠点ごとの水リスクを毎年評価し、節水に努めています。相対的にみて水利用量の多い13拠点については、水管理計画も策定し、さまざまな取り組みを展開しています。
ブラザーグループの生産拠点では、水のリサイクル率向上により取水量の削減に取り組んでいます。兄弟機械(西安)有限公司では、給水機からの排水を掃除用具洗浄水として活用し、兄弟高科技(深圳)有限公司やブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.では、コンテナの水漏れ検査水の再利用や、空調排水の再利用を行いました。ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd.では、廃水処理システムからの処理後の廃水をトイレに利用するなど、取水量削減に貢献しています。
兄弟高科技(深圳)有限公司では上記のリサイクル活動に加えて、水噴霧装置の改善、洗浄方式の変更、自動水栓設置、雨水利用促進を行い、2023年度は前年度売上高原単位比で約11%の削減となりました。

水循環に取り組む兄弟機械(西安)有限公司

水資源が豊富ではないために、比較的水リスクが高い地域に位置している兄弟機械(西安)有限公司は、2018年度より、水循環への取り組みとして敷地内に雨水回収タンクを設置、緑化への利用を継続しています。

兄弟機械(西安)有限公司

「水利用量」の2019年度から2023年度の実績(グラフ)

  • 売上高原単位比の算定を見直しました。

集計範囲

2018年度以降
国内8事業所(ブラザー工業株式会社本社、瑞穂・星崎・港・桃園・刈谷工場、技術開発センター、物流センター)、株式会社ニッセイ、日静減速機製造(常州)有限公司、三重ブラザー精機株式会社、ブラザーインダストリーズ(U.K.)Ltd.、ブラザーインダストリーズ(スロバキア)s.r.o.、ブラザーインダストリーズ(U.K.)Ltd.、ブラザーインダストリーズ(スロバキア)s.r.o.、台弟工業股份有限公司、珠海兄弟工業有限公司、兄弟機械(西安)有限公司、兄弟高科技(深圳)有限公司、ブラザーインダストリーズ(フィリピン),Inc.、ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd.、ブラザー インダストリーズ(サイゴン)Ltd.

取水量・排水量・リサイクルされた水の量

2019年度 2020年度 2021年度 2022年度 2023年度
取水量(m3) 上水 550,645 504,122 506,166 470,172 408,991
工業用水 0 0 0 0 0
地下水 100,557 87,474 111,697 123,034 119,904
排水量(m3) 公共用水域 190,703 179,782 170,392 150,453 110,928
下水道 382,111 338,746 372,721 369,193 333,406
その他 251 1,177 150 149 36
リサイクルされた水の量(m3) 421 3,759 2,978 5,385 8,717
リサイクルされた水の割合(%) 0.1 0.7 0.5 1.0 1.9

集計範囲は、製品に直接関わる範囲としています。
対象拠点は、マテリアルバランス [PDF/1.1MB] 5ページをご覧ください。

CDP質問書2024

CDP(旧カーボン・ディスクロージャ・プロジェクト)は 、2000年に設立された国際的な環境非営利組織であり、その情報開示システムは世界経済における環境報告のグローバルスタンダードとなっています。
CDPの環境に関するデータは、金融市場、政策イニシアチブ、その他さまざまなステークホルダーによって活用されています。
ブラザー工業は、CDP気候変動は2011年から、CDP水セキュリティーは2015年から参加、質問書に回答しています。

  • 2024年は、気候変動・フォレスト・ウォーター・プラスチック・生物多様性質問が統合され、CDP質問書(CDP Questionnaire)となりました。

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