お客様の声に耳を傾けることで生まれる対応力と連携
事業環境にあわせ、自ら変化できる企業であり続ける
多様化するツールや市場、お客様の行動の変化など、事業環境はめまぐるしく変化しています。ブラザーがこの変化に対応していく上で大切なのが「柔軟な対応力」と「パートナーとの連携」です。
お客様の声に耳を傾け、これまで培ってきた技術や知識、ノウハウを生かしつつ、新規事業など新たな分野においては、パートナーと適切に連携しながら柔軟に対応していきます。
そうすることで自ら変化できる企業であり続けたいとブラザーは考えています。
品質・サービスのさらなる向上のため、グローバルサービスサミットを開催
「ずっとブラザー」と思っていただける充実したサポートと迅速なアフターサービスを提供
ブラザー工業株式会社のプリンティング・アンド・ソリューションズ事業(以下、P&S事業)では、2000年に始めた品質課題を共有するグローバル会議を進化させ、2007年から品質・サービスのさらなる向上のため、グローバルサービスサミット(以下、サミット)を毎年開催しています。
米州、欧州、亜州、中国、日本の各統括拠点の品質・サービス部門がサミットに参加、基本方針を共有し、グローバルなサービス戦略の実現に向け、 ブラザーグループが一体となって重要課題に取り組むことを確認します。各拠点からは、ITやAIを利用した顧客サポートやお客様の声の分析結果など、具体的な事例を報告。参加者は、サミットでの気づきを担当地域へフィードバックすることにより、サービスレベルのさらなる向上を推進します。
2020年度は新型コロナウイルス感染拡大防止のため、各地域とのオンライン会議という形で開催しました。会議では、コロナ禍の中、お客様のために在宅勤務や新設したサテライトオフィスからお問い合わせ対応できるようにしたことや、電話・メールだけではなくチャットやチャットボット*などを活用した、新たなお客様対応の仕組みを導入した国の事例なども紹介されました。
自拠点のサービス活動を報告(2019年度の様子)
意見交換する参加者(2019年度の様子)
P&S事業の品質・サービス部門の目指す姿は、市場情報からお客様の要望を理解し、今後の製品やサービスに盛り込むこと、そして製品を購入していただいたお客様に対して、満足していただけるサービスを提供し、強い信頼関係を築き上げることです。そのために、独自のマネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント」(BVCM)で製品品質の不良ゼロをめざすとともに、「ずっとブラザー」の製品を使い続けていただけるように、充実したサポートと迅速なアフターサービスを継続していくことを、活動目標に掲げています。
P&S事業では、これからもすべての国が活動内容を共有し、全世界のお客様に、常に満足していただける製品とサービスを、効率的かつ迅速に提供できるよう努めます。
- ユーザーの入力するテキストに対して、自動化したシステムで回答する会話型システムのこと。
労働環境の改善と生産性の向上を実現するロジスティックス*1業務の推進
ステークホルダーの皆さまとともにロジスティックスでのSDGsの達成を目指す
ブラザーグループの国際輸送に関わるロジスティックスを統括するブラザーインターナショナル株式会社(以下、BIC(J))は、ブラザーグループのCSR経営方針に基づいた独自のSDGs(持続可能な開発目標)重点項目を定めています。重点項目の一つである「17:パートナーシップで目標を達成しよう」の達成に向け、グループ各社やパートナーとともに物流の効率化やダイバーシティへの対応など、さまざまな取り組みを行っています。
輸送時におけるコンテナ積載では、パレットを使用せずカートンを直接積み込むと積載効率が良い反面、荷降ろしや倉庫への搬入に相当の時間と労力がかかるため、倉庫側の作業負荷が大きく、港湾の混雑や労働環境の悪化にもつながります。それを受け、官公庁や輸送業界は近年「ホワイト物流推進運動*2」を展開しています。BIC(J)では、従来のパレットより省スペースになるシートパレットの提案も含め、パートナーとともに効果的なパレタイズ化を進めています。
また、ブラザーグループ各社との情報共有にダッシュボード*3を活用することで、ロジスティックの可視化と最適化を図っています。ダッシュボード上には、物流に関する最新情報や運賃動向、グループ間の情報交換コーナーなどが掲載され、変動する情報をグループ内ですぐに共有できる仕組みとなっており、お客様にタイムリーな情報提供が可能です。このダッシュボードは、製品の発・着地、物量などを入力すると最適な輸送手段やルート、運賃などがシミュレーションできるため、それまで毎回船会社や航空会社に問い合わせしていた作業を省くことができ、業務の効率化につながっています。
ダッシュボード上に共有される情報の一部
BIC(J)では、SDGs達成への貢献を常に意識しながら、これからもグローバルにステークホルダーの皆さまからの期待や要請に応え、より質の高いロジスティックスを提供していきます。
- 物の流通そのものだけでなく、原料調達や経営管理・コスト管理などを含めた、物の流通に関わる全般の効率的な仕組みのこと。
- 深刻化が続くトラック運転者不足に対応し、国民生活・産業活動に必要な物流を安定的に確保するとともに、経済の成長に寄与することを目的に、トラック輸送の生産性の向上・物流の効率化や物流業界におけるより働きやすい労働環境の実現に取り組む運動。
- さまざまなデータを図やグラフなどを用いて一目で理解できるようにする、データ可視化ツール。
生産・販売・サービス拠点データ
2018年度 | 2019年度 | 2020年度 | ||
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生産拠点や販売・サービス拠点 | 40以上の国と地域 | 40以上の国と地域 | 40以上の国と地域 | |
売上収益(連結) | 683,972百万円 | 637,259百万円 | 631,812百万円 | |
地域別売上収益構成比 | 日本 | 18.2% | 19.2% | 15.7% |
米州 | 30.5% | 31.4% | 31.8% | |
欧州 | 26.4% | 27.4% | 28.2% | |
アジア他 | 24.9% | 22.1% | 24.3% |