世界中の"あなた"の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献します
グローバルな社会課題への対応
持続可能な世界を実現するため、国連総会において2015年に採択された、2030年をゴールとする17の「持続可能な開発目標(SDGs)」は、企業に対しても行動が期待されています。また多くのステークホルダーから、環境・社会・ガバナンス(ESG)といったサステナビリティを重視した経営が求められています。
私たちブラザーグループは、2030年に向けて、ブラザーの存在意義と社会への提供価値を示した、ブラザーグループビジョン「At your side 2030」を策定しました。「世界中の"あなた"の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献する」、これがブラザーグループのあり続けたい姿です。このビジョン達成に向け、バックキャストで2022年度から2024年度までの中期戦略「CS B2024」を策定し、社会の発展と地球の未来に貢献するための重要な社会課題として、ブラザーグループのマテリアリティを特定しました。
「CS B2024」では、この五つのマテリアリティを解決するためのサステナビリティ目標を定め、重要な経営課題の一つとして取り組んでいきます。
社会の発展への貢献
事業を通じた社会価値の創出は、グループすべての従業員が"At your side."の精神を発揮し、一丸となって優れた価値を創造し迅速に提供することで、お客様に喜んでいただくことで実現できると考えています。そして"At your side."の精神を実現するのは従業員です。お客様のニーズが多様化する中、グローバル人材やIT人材の育成に加え、女性活躍推進のさらなる強化などにより、多様性が尊重され、エンゲージメントの高い職場づくりを推進します。
またバリューチェーンにおける社会的責任も重要なテーマです。RBA(Responsible Business Alliance)対応やサプライチェーンに対する人権評価リスクの拡大を通じて、グループ内の工場も含め、働く人々の人権を尊重し、安全安心な労働環境の確保を進めていきます。
地球の未来への貢献
気候変動対応は、2050年までのカーボンニュートラルの実現という世界的な潮流に加え、世界中で自然災害が多発しているという現実の中で、最優先課題として取り組まねばなりません。ブラザーグループは、さらなる気候変動対応を推進するため、2020年2月にTCFD提言に賛同し、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会に対してシナリオ分析を行い、関連する情報を開示しました。また、2018年に策定した「ブラザーグループ 環境ビジョン2050」の目標を見直し、2050年までにあらゆる事業活動のカーボンニュートラルとバリューチェーン全体のCO2排出最小化を目指しています。資源循環についても、引き続きバリューチェーン全体で資源循環の仕組みを整備し、2030年度までに主要製品に投入する新規資源率を65%以下にするなど、資源の持続可能な利用と廃棄物による環境負荷最小化を目指します。
価値創出のビジネスモデル
ブラザーグループでは、独自のビジネスモデルとして、「お客様の声」を、企画・開発・設計・製造・販売・サービスなどすべての事業活動の原点と考え、その声に迅速にお応えする「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント」(BVCM)を構築しています。「At your side 2030」で目指す「循環経済型ビジネスの推進」や「産業用領域の飛躍」を実現するため、「CS B2024」では、このバリューチェーンの基本プロセスに、循環経済の確立に向けたチェーンの双方向化と、産業用領域を中心とした、開発段階におけるお客様からのフィードバックに基づき迅速な製品改良を行う流れを加えました。いち早く優れた価値をお客様にお届けするため、このBVCMの流れをグローバルベースで高速に回し、深化を図っていきます。
私は"At your side."は終わりのない旅だと考えています。常に"At your side."の精神を進化させながら、ブラザーの強みである、多様な独自技術とグローバルネットワークを生かし、これからもさまざまな挑戦を続けていきます。そして、世界中のお客様に優れた価値を迅速にお届けし続けることで、企業価値を拡大し、持続可能な社会に貢献していきます。引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
2022年10月
ブラザー工業株式会社
代表取締役社長
佐々木 一郎