持続可能な社会に向けて

汚染予防と化学物質管理

  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 6 安全な水とトイレを世界中に
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任

さまざまな分野での汚染予防

ブラザーグループは環境先進企業を目指し、「ブラザーグループ環境方針」の中で、製品のライフサイクル(製品の開発・設計、部品や材料の調達、生産、包装・物流、お客様による使用、回収・リサイクル)を通じて、活動する国や地域の法規制順守や環境汚染の予防を大前提に、継続的な環境負荷の低減を約束しており、環境汚染のリスクと機会を以下のようにとらえ、ISO 14001の活動などを通じて予防を図っています。

リスク
  • 有害化学物質の漏洩・流出による、大気汚染、水質汚濁、土壌汚染などによる環境負荷増大および生物多様性の喪失
  • 国内外の環境法規制強化による管理コストの増加や設備投資の増加
  • 環境汚染や健康被害による損害賠償の発生、汚染除去費用の発生
  • 土壌汚染による、土地の売却・改変中止による事業の延滞と浄化に伴う費用の発生
  • 汚染除去や計画外の追加的処置による操業停止・延期
  • 土壌汚染や事故時の不適切対応による社会的制裁
  • 土壌汚染による資産価値低下
機会
  • 有害化学物質の漏洩・流出を防止することによる生物多様性の保全
  • 高いコンプライアンス意識の維持による永続的な汚染予防と管理コストの削減
  • 土壌汚染や事故防止維持による社会的信頼の向上、およびビジネスチャンスの拡大
  • 土壌汚染や事故防止維持による資産価値向上

化学物質の管理と削減

国内事業所の主な取り組み

ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)では、1998年に一般社団法人日本経済団体連合会によるPRTR制度の導入に伴う先行調査に参加し、事業所で使用されている化学物質の移動・排出量を1997年度の取り扱い分より報告しています。

ブラザー工業では、「PCB廃棄物の適正な処理の促進に関する特別措置法」に基づき、2008年から、計画的に廃棄処分委託を行ってまいりました。2017年度末には、全ての廃PCB油含有電気機器の処分委託が完了しております。これまでに廃棄処分を完了したものは、高濃度PCB廃棄物は、コンデンサー、蛍光灯安定器を併せて2,468台。低濃度PCB廃棄物は、トランス、コンデンサーなどの廃電気機器41台です。廃PCB油約70kgについても2019年度中に処分を完了予定です。
フロンについては、「フロン排出抑制法」の施行(2015年4月)に伴い、2015年から一般財団法人日本冷媒・環境保全機構の「冷媒管理システム」を用いて空調設備を管理しています。このシステムにより、約1,600台に及ぶブラザー工業の国内空調機器の状況が一元的にリアルタイムで把握できています。

海外拠点の主な取り組み

海外の生産拠点では、ISO 14001に基づいて地域ごとの法規制を調査・把握し、管理体制を構築して適切な管理を実施しています。また、生産に関わる部品・材料・副資材は、お取引先(サプライヤー)と連携して「ブラザーグループ グリーン調達システム」を運用し、有害化学物質の混入を防止しています。

大気・水質・土壌など汚染防止の基本的な考え方

ブラザーグループでは、環境事故の未然防止を第一優先とし、対象となる施設・工程を見直し、汚染の可能性が低い方式への転換を図っています。また、既存の施設管理は、各拠点が取得しているISO 14001の運用により自主管理値を設定・順守し、汚染防止を図っています。

大気汚染の未然防止

化石燃料を直接燃焼するタイプのボイラーや暖房機は、電化、またはCO2排出係数の低い都市ガスに変更することで環境への負荷を軽減し、大気汚染防止を推進しています。
ブラザー工業では、従業員寮を含め全事業所で大気汚染に関わる特定施設の重油ボイラーを廃止しています。これにより、CO2排出による温暖化や土壌汚染・地下水汚染のリスクを軽減しました。
海外の生産拠点でも、従業員寮に太陽光温水器やヒートポンプ設備を導入し、重油ボイラーの使用を大幅に削減しています。また、中国華南地区の兄弟高科技(深圳)有限公司(以下、BTSL)で使用する電力についても、重油による自家発電を廃止し、市が供給する電力に切り替え、大気汚染・CO2排出・地下水汚染などのリスクを軽減しています。
VOC(揮発性有機化合物)の排出削減については、1994年から対象となる刈谷工場の塗工施設に触媒燃焼装置を導入して排気ガスを燃焼させ、VOCの排出抑制と悪臭の発生防止をしています。併せて、有機溶剤の含有率の低い材料への転換や使用量削減などの対策を実施しています。BTSLにおいても樹脂の成形工程や実装基板の製造工程から排出されるVOCの処理施設を設置し、排出削減施策を実施しています。

水質汚染の未然防止

水質汚濁防止については、以下の取り組みを実施しています。
刈谷工場では、2011年度に最新式の膜分離活性汚泥方式を採用した排水処理施設を設置しました。
海外の生産拠点では、ブラザーインダストリーズ(サイゴン)Ltd.の部品洗浄排水、兄弟機械(西安)有限公司の塗装前処理排水、台弟工業股份有限公司の塗装前処理排水を対象に、排水処理施設を設けました。2012年に工場を増設したブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd.では、排水処理施設を生物膜方式の施設に更新し処理能力を増大することで、排水の環境負荷数値を大きく低減しました。

また、2013年に設立されたブラザーマシナリー(ベトナム)Co., Ltd.(以下、BMV)では工場内の排熱利用により、塗装前処理工程の排水を汚泥状態まで蒸発減容固化することで排水量をゼロにし、固形廃棄物として適正に処理する方式の汚水浄化プラントを設置しました。
その他の事業所では、特に環境負荷の高い特定施設はありません。下水道のインフラ整備が無い事業所では、生活排水の浄化設備および後処理設備を設置しています。これらの施設もISO 14001の施設管理手順により地域の基準を順守しています。
緊急事態の対応については、下水や公共水域への流入・土壌への浸透を想定した緊急事態訓練を定期的に行っています。さらに、排水処理施設へのCOD(化学的酸素要求量)を常時監視するシステムの導入、食堂排水へのオイルトラップの設置などの対策を施し、万一の油流出の事態に備えています。また、定期的にBOD(生物化学的酸素要求量)や、ノルマルヘキサン抽出物質(水中の油分などを表す指標)などの測定監視を行っています。

土壌汚染対策

ブラザー工業では、過去に使用していた有機塩素系化合物、有害重金属による土壌・地下水の汚染状況について、1997年から調査を開始しました。汚染を確認した地区では、汚染物質の拡散防止対策ならびに浄化を施すとともに管轄する自治体に報告しています。
自社所有地の売却および改変に当たっては、法律の基準に従い土壌調査を実施しています。
また、海外で土地を購入して工場の設立を計画する場合には、使用履歴の調査とともに土壌分析を行い、汚染状況の把握・確認を徹底しています。
減速機や高精度歯車などを生産する株式会社ニッセイ(以下、ニッセイ)では、2015年度の調査において本社工場で有害物質貯蔵施設の破損に起因する鉛およびその化合物による土壌・地下水汚染が、旧本社跡地の駐車場では有機塩素系化合物による土壌汚染が判明しました。いずれも所管の自治体へ報告するとともに、その指導に基づき適切に対処しています。以降、地下水モニタリングを実施し、異常のない状況が維持できています。

騒音・振動・悪臭の発生防止

ブラザー工業では、近隣の住宅・学校・通行人への配慮として、騒音・振動・悪臭の発生に細心の注意を払っています。
騒音・振動対策では、チラーや排風口などの音源・振動源をできる限り工場の内側へ設置、または移設しています。
防音対策では、海外の生産拠点、BTSLにおいて水処理施設の騒音防止装置を設置しています。さらに消音フレキシブルダクトの採用や排気ファンのインバーター機への変更など、継続して騒音防止に取り組んでいます。
悪臭防止対策では、塗装工場などで排出口にフィルターや、脱臭装置などを設置し、周囲への発散を低減しています。併せて、塗装工程で悪臭の元となる有機溶剤の含有率の低い塗料への転換や、使用量削減などの対策を実施しています。
また、騒音・悪臭防止対策では、2011年度刈谷工場に新設した排水処理施設に地下埋設式水槽を採用するなど、音源・悪臭源を地下に埋設して周囲への影響を軽減しています。
なお、特に騒音・悪臭に関しては、施設導入時だけでなく、定期的に測定監視を行っています。
ニッセイでは、近隣の方へのより一層の騒音対策として、2016年度にダイカストマシンの移設(工場内で住宅分譲地から遠ざける方向へ移設)と、大型溶解炉の停止と廃却を行い、原材料の投入による騒音を低減しています。

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