ブラザーの価値創造プロセス
ブラザーグループの価値創造の源泉は、あらゆる場面でお客様を第一に考える"At your side."の精神です。
世界中のブラザーグループが、"At your side."の精神を軸に、6つの資本とブラザーの強みを投入し、中期戦略に則ってお客様を中心としたブラザー独自のマネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント(BVCM)」を実践することで、民生用から産業用にわたる多様な製品・サービス・ソリューションを提供しています。そして、6つのマテリアリティ解決に取り組むことで、お客様の生産性と創造性をすぐそばで支え、社会の発展と地球の未来に貢献しています。この顧客価値の拡大を通して、企業として持続可能な成長を果たしていきます。
ブラザーの強み
ブラザーは、事業変革の歴史の中で培った多様な独自技術と、グローバルネットワークを最大限に生かし、お客様の生産性の向上と創造性の発揮に貢献しています。これからも進歩し続けたいと願うすべての人の思いを支えるため、グローバル複合事業企業ならではの強みを発揮し、外からの学びも生かしながら、ものづくりにとどまらない価値づくりでお客様のありたい姿を実現していきます。
新しい価値を生み出す多様な独自技術
創業以来、ブラザーはお客様や市場のニーズの変化に対応するため、顧客セグメント・販売ルートや技術・能力の共通性を生かし、新たな事業を生み出してきました。この連続性を縦糸・横糸とし、織りなされた広がりと、事業領域を越えて協力しあう企業文化や技術の組み合わせによる新しい価値創造、これがブラザー独自の強みとなっています。
ニーズに応えて迅速な価値提供を可能にするグローバルネットワーク
ブラザーはこれまで、40以上の国と地域に開発・生産・販売・サービス拠点を拡大してきました。そのグローバルネットワークを生かした、お客様のニーズに対応する柔軟性、製品・サービスを迅速に提供する小回り力、効率的なネットワークによるコスト競争力も強みの一つです。今後も、外部からの学びやパートナーとの連携を生かし、グローバルチームブラザーで優れた価値を迅速に提供していきます。
ブラザーの強み —SPEEDIOにおける具体事例—
ブラザーは、グローバルな生産体制と長年培ってきた技術力を生かし、高い生産性と省エネ性能を兼ね備えた工作機械・SPEEDIOを通じて、お客様に迅速に価値をお届けしています。価値創造プロセスに示したブラザーの4つの強みに関する事例について、SPEEDIOに関わるメンバーが紹介します(所属・役職は取材当時のものです)。
1. 創業以来の事業の多角化で培った民生用・産業用両面でのモノづくり技術
お客様の声の具現化にチーム力で応える新製品開発
ブラザー工業株式会社 産業機器開発部グループ・マネジャー
石橋 伸晃
私たちは、「CS B2024」期間中に、大型で多様な部品を加工できるHシリーズや複雑な輪郭形状を加工できるUシリーズ、小型の工作機械で初となる100本の工具が搭載できる製品、バリ取り加工のデバリングセンターなど複数機種を同時開発して市場投入し、お客様からも大きな反響をいただいています。各製品開発における成功要因の1つ目は、若手リーダーの起用と開発部内外のメンバー間の連携です。毎週のレビュー会では、テーマを持ち寄り、世代・部門を超えてフラットに意見をぶつけ合い、多様な視点でアイデアを磨いています。この場が、課題解決だけでなく若手の成長の後押しもしています。2つ目は、効率的に開発できるように、部品をモジュール化し、要素部品の設計を共通化したことです。3つ目は、お客様訪問によるニーズの把握です。10年以上前から欧州などでの顧客訪問を通して多品種少量生産への強いニーズを掴んでおり、小型の工作機械で100本の工具が搭載できる製品のアイデアを温めていました。コロナ禍を経て人々の価値観が変化し、多品種少量生産への要望が高まり、一気に製品化できた自信作です。
デジタル生産支援システム「B-PACS」による安定品質の実現と作業者教育
兄弟机械(西安)有限公司製造部
张 军志副部長(右) 刘 萌課長(左)
私たちは、刈谷工場で構築されたデジタル生産⽀援システム「B-PACS」の、兄弟机械(西安)有限公司への導入・運用に注力してきました。従来、作業管理者は100枚以上の紙によるチェックシートで工程を管理していましたが、B-PACSにより工程管理を電子化し、ペーパーレス化とリアルタイムでの進捗・品質管理を実現しました。ネジ締めなどの測定データも自動で記録されるため、作業ミスなどを大幅に削減できています。また、トレーサビリティーや工数管理もデジタル化しているので、不具合の原因を迅速に発見し対策を取ることができます。一方、作業者はタブレットで全工程を確認できることと作業内容が数値化されていることで、迷わず正確に作業を進めることができ、新人育成の期間短縮にもつながっています。全工程において高レベルな生産技術を習得した熟練者は、「匠道場」でさらなる技術の向上を目指します。
2. ともに成長するグローバルな顧客とビジネスパートナー
お客様のビジネス成長を支えるグローバルネットワークとサポート体制
ブラザー工業株式会社 産業機器営業部チーム・マネジャー
林 修(左) 安井 隆史(右)
私たちは、国内外の代理店を通じて製品を販売し、地域特性に合わせた営業体制を整備しています。例えば、日系企業のお客様が海外工場で工作機械を採用する場合でも、日本でテスト加工や品質・コスト・納期・保守体制などを確認、納得していただくことが必要です。製品導入後、不具合などが発生した際には、お客様や代理店の声を正確に把握するため現地スタッフがお客様を訪問し、お客様の課題を迅速に把握・解決することを重視しています。訪問できない場合や現地スタッフだけでは対応できない場合は、私たち日本の営業担当に加え、お客様の海外工場を統括されているご担当者様にもご参加いただき、Web会議などを活用して迅速に対応しています。また、国内外のブラザーサービス拠点や代理店と定期的に情報交換し、成功事例や課題をグローバルで共有・展開しています。国内ではマシンダウン時の48時間以内復旧率90%を実現しており、このような実績を全世界に広げていきたいと考えています。グローバルサポート体制をさらに充実させ、マシナリー事業における「CS B2027」の成長の基盤を強化することで、お客様との長期的な信頼関係を築いていきます。
お客様をブラザーファンに お客様の困り事解決に一緒に取り組み、ともに成長する
兄弟機械商業(上海)有限公司ブラザーテクノロジーセンター東莞鲁
霞所長(右)
私は営業担当として、高い生産性や品質の安定性などに優れるブラザーの工作機械を、自信と誇りを持って販売しています。ある部品メーカーのお客様には、会社の成長に伴い、5年間で600台以上のブラザー製工作機械を導入していただきました。短納期対応や故障時の迅速なサポートはもとより、普段から営業・技術・サービス担当が連携し、設備導入のキーパーソンに対して、技術交流会や現場教育を実施するなど、ブラザー製品の高い顧客価値を体験して深く知っていただく機会を設け、ファンになってもらう努力を続けています。困り事が発生した時に、「ブラザーに聞けば解決できる」と頼りにされる関係性を築いています。この関係性があるからこそ、設備の導入の際に、ブラザー製品を優先的に検討してもらえるのだと思います。前述のお客様からは「1,000台保有の可能性もある」とのお声をいただいています。お客様の成長が私の喜びであり、私自身もブラザー製品のファンとして、これからも全力でお客様をサポートし続けます。
3. コスト競争力と柔軟性の高いグローバル生産体制
サプライヤーと取り組むQKY*やコストダウン活動
兄弟机械(西安)有限公司
製造部 古田 悠斗部長(中央) 杨 莉娜課長(左) 潘 桃係長(右)
私たちは、お取引先(サプライヤー)の皆さまとともにQKY活動やコストダウン活動に取り組んでい ます。例えば 、板金サプライヤー様とともに塗料の付着や溶接方向のミスといった品質リスクを事前に予測し、マスキングや治具活用など具体策を徹底することで、異常発見件数を大幅に減らし、品質向上を実現しました。これらの活動により、ブラザーと取引することへの訴求力を高め、信頼関係も強化されています。また、短期的な成果を求めるのではなく、中長期的に持続性のある視点でコストダウン活動にも注力しており、現地調達や新規サプライヤーの開拓など選択肢を広げて柔軟な対応を進めています。このようなコストダウン活動は、お取引先と協力して進めることで、ともに成長し、さらなるビジネス機会の拡大につなげています。今後も、お取引先との相互信頼関係を築くことを大切にしながら、お客様への価値を生み出すという共通の目標に向かってともに成長し続けます。
- 品質面の危険予知、未然防止活動。部品の生産・保管・納入の際の不具合を予測し対策を打つことで、品質の高い部品の供給を目指す活動
4. 自律型従業員で構成されるグローバルチームと風通しの良い組織風土
インド工場立ち上げにおけるグローバルチーム連携
ブラザー工業株式会社 製造部
小山 恭平(右) 林 勇樹(左)
2024年12月に稼働を開始したブラザーマシナリー(インド)Private Ltd.は、ブラザーグループでは初めて、工作機械専用に立ち上げた工場です。私たちは、これまで日本や中国で培ってきた工場立ち上げのノウハウを最大限に生かし、部品調達や生産管理の仕組みづくり、現地スタッフとのコミュニケーションや教育など、さまざまな課題に対応しながら準備を進めてきました。稼働後も、インドへの重要部品の送付など、日本・中国・インドの3工場間がグローバルチームとして連携し、産業機器事業全体の成長という共通の目標に向けて自律的に取り組んでいます。インドでは、販売と製造の連携をさらに強化していく段階で、インド工場のメンバーからは、「絶対に成果を出す」という強い使命感が伝わり、頼もしい仲間たちだと思っています。
バリ取り加工の設定を容易にでき、投資効果の高い機械を創出した自律型従業員の情熱
ブラザー工業株式会社 産業機器開発部チーム・マネジャー
田中 博之(前列中央)
7年前、「機械導入の投資リスクが高く、人手に頼ることが多いバリ取り作業をブラザーの技術で解決したい」と「テリー'sチャレンジ塾」で 提案したことがきっかけで、バリ取り専用加工機「デバリングセンター」を発案し、プロジェクトリーダーを務めました。市場に同じコンセプトの機械が存在しなかったため、お客様の声を伺いながら何度も試作を重ね、仕様や機能をつくり込みました。当初は社内でも開発に対する疑念の声がある中、「チャレンジしなかったら後悔する。必ず結果を出す」という思いでプロジェクトメンバーと試行錯誤を続けました。プロジェクト外のメンバーからも、「これはいい、売れそうだ」という声が聞かれるようになってからは、プロジェクトを大きく前進させることができ、お客様に「こんな機械が欲しかった」と言っていただける製品を生み出すことができました。ゼロからの製品開発に挑戦し、メンバーそれぞれが悩みながらも強みを発揮して成長できたことが、一生忘れられない経験となり、心から感謝しています。
ブラザーの資本
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統合報告書
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知的資本 32ページ ■資本の状況
研究開発費:495億円*1
多様な独自技術 |
社会関係資本 34ページ ■資本の状況
連結子会社数:103社*1
ともに成長するグローバルな顧客とビジネスパートナー |
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製造資本 33ページ ■資本の状況
グローバル生産拠点:28拠点*1
コスト競争力と柔軟性の高いグローバル生産体制 |
人的資本 30-31ページ ■資本の状況
連結従業員数:4万人以上*1
自律型従業員で構成されるグローバルチームと風通しの良い組織風土 |
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自然資本 35ページ ■資本の状況
資源消費量(製品原材料):207,760t*1
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ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント
ブラザーグループは、「お客様の声」を、企画・開発・設計・製造・販売・サービスなどすべての事業活動の原点と考え、迅速に優れた価値をお届けするために、独自のマネジメントシステム「ブラザー・バリュー・チェーン・マネジメント(BVCM)」を構築・実践しています。このBVCMを進化させ続けることにより、提供価値の最大化を目指します。
BVCMの基本プロセス
お客様のもとへ優れた価値を迅速にお届けするまでの過程を、「デマンドチェーン」「コンカレントチェーン」「サプライチェーン」の3つのチェーンでつなぎ、柔軟かつスピーディーに価値創出を行います。お客様を中心に考えたこのバリューチェーンの循環を高速化することで、より優れた製品・サービス・ソリューションを迅速にお届けします。
お客様
お客様から始まる"価値"のチェーン
ブラザーの製品をご購入いただいた「現在」のお客様と、これからブラザーの製品を手に取ってくださる「将来」のお客様の声が、すべての事業活動の出発点です。お客様との重要な接点であるコールセンターには、さまざまなお問い合わせやご要望が寄せられます。それらの情報をデータベースに登録し、ブラザーグループ全体でグローバルに共有しています。
お客様の声に関する具体的な事例デマンドチェーン(価値の選択)
- お客様の真のニーズをグローバルベースで把握し、独自の価値提供内容を決定
- 最適な価値の実現・提供方法を企画・開発部門が一体となって立案
各国のコールセンターに寄せられたご意見や、販売・サービス活動、市場調査データから得た情報を基に、営業部門・開発部門が一体となって、"製品が使われる環境がどのように変化していくのか"、"さらに多くのお客様にご満足いただくには何を改良するべきか"など、さまざまな角度からお客様のご期待・ご要望を分析し、製品コンセプトをつくり上げます。
商品企画・研究開発に関する具体的な事例コンカレントチェーン(価値の創造)
- 設計部門(機械・電気電子・ソフトウエア・化学など)と製造部門、サプライヤーとの間で密に連携
- 社内技術と社外技術を最適な形で組み合わせて活用
デマンドチェーンでつくり上げた製品コンセプトを具体的なカタチにします。試作の前後にシミュレーションや想定されるお客様によるモニター試験を何度も行い、高い品質レベルを実現しながら、迅速に開発設計を行います。また生産技術担当部門では、お客様が望むタイミングで製品を提供できるように最適な生産ラインを設計します。
開発設計生産技術に関する具体的な事例サプライチェーン(価値の伝達)
- コスト競争力と変化への対応力を磨き、最適な地域で最適な製品を生産
- 各国・地域の顧客の特性を熟知し、きめ細かな販売・サービスを提供
ブラザーグループの生産拠点では、部品調達先などのビジネスパートナーと密に連携しながら、製造工程や品質管理体制を強化し、高品質の製品を生産しています。製品は世界各国・地域の販売拠点を通じて、お客様のお手元に届けられます。そして、インターネットでのオンラインサポートやコールセンターなどを通じて、個々のお客様にご満足いただけるよう迅速・丁寧なサポートを提供しています。
製造・物流・販売・サービスに関する具体的な事例BVCMの進化
ブラザーグループビジョンで目指す「循環経済型ビジネスの推進」や「産業用領域の飛躍」を実現するため、基本のBVCMプロセス(白色実線)に、緑色点線:「循環型経済に向けた双方向化」、赤色点線:「お客様との協働による価値の最大化」を加えました。基本のプロセスとともにさらなる高度化を図ります。
循環型経済に向けた双方向化(緑色点線)
回収・再利用して、資源循環を実現する流れ
ブラザーグループは、持続的発展が可能な社会の構築に向け、企業活動のあらゆる面で地球環境の配慮に前向きで継続的な取り組みを行っています。環境への配慮はすべての活動の基本です。製品の開発・設計、製造、お客様による使用、廃棄、再利用といったすべての段階で、安全かつ環境に対する影響を配慮することを基本とする、資源循環の実現を表しています。ブラザーグループでは、お客様が製品を使い終わったときの配慮として、製品や消耗品のリユース・リサイクル性向上やリサイクルシステムの構築を推進しています。
お客様との協働による価値の最大化(赤色点線)
お客様からのフィードバックを得て迅速に製品改良する流れ
「産業用領域の飛躍」や新規事業の創出に向け、開発段階において、お客様にいち早くプロトタイプを試していただき、フィードバックを得て迅速に製品改良を行う流れを表しています。例えば、工作機械「デバリングセンター SPEEDIO DG-1」においても、生産現場のさらなる価値創出に貢献すべく、お客様の声に迅速に対応しています。