市場拡大に向け、お客様の声に応える製品開発
ブラザーグループでは、常にお客様のことを第一に考える"At your side."の精神でモノづくりに取り組んでいます。工作機械「SPEEDIO(スピーディオ)」シリーズにおいても、生産現場のさらなる価値創出に貢献すべく、お客様の声や世の中の変化に迅速に対応しています。
お客様の声にお応えするため、営業・技術・サービス担当者が一緒にお客様を訪問し、ニーズを直接伺いつつ、新機能やソリューション提案の検討を行っています。また、製造、品質保証、サービスの各部門と開発が一体となり、複数の製品開発プロジェクトを並行して進めることで、新製品の迅速な開発・販売を実現しています。
2024年9月に発売した「デバリングセンター SPEEDIO DG-1」は、ダイカスト部品のバリ取り加工に特化した専用マシンです。従来のSPEEDIOが部品加工を目的としていたのに対して、デバリングセンターDG-1はダイカスト部品の製造工程で発生する、素材のバリを取り除くことを目的としています。バリ取りは手作業で行われることが多く、近年では人手不足により作業者の確保が困難となっています。また、ロボットやNC加工機によるバリ取りでは、プログラムの作成や加工経路の修正に時間を要するため、容易に短時間で工程を立ち上げられることが求められていました。お客様の現場で、開発者がこのような課題を繰り返し目の当たりにし、解決に向けて取り組みました。市場に同じコンセプトの機械が存在しなかったため、お客様の声を伺いながら何度も試作を重ね、プロトタイプを使っていただき、仕様や機能を作り込んだ結果、お客様に「こんな機械が欲しかった」と言っていただける製品を生み出すことができました。
デバリングセンター SPEEDIO DG-1
また、2025年3月に発売した「SPEEDIO S700Xd2-100T / U500Xd2-100T」は、小型の工作機械で初となる100本の工具が搭載できるモデルです。10年以上前から欧州などでの顧客訪問を通して多品種少ロット生産への強いニーズをつかんでおり、小型の工作機械で100本の工具が搭載できるモデルのアイデアを温めていました。コロナ禍を経て、自動車業界を中心に部品加工の主流が大量生産から多品種小ロット生産へと変化したことで、こうしたニーズはさらに高まりました。大量生産では生産性向上のため、各部品の加工時間を短縮することが重要とされる一方、多品種小ロット生産では治具や工具の段取り替え時間の短縮が求められます。これらの課題を解決するため、今回新たに100本の工具を搭載可能な「100本マガジン」を開発し、例えば左右にある工具ストッカとの工具交換をする場合、正面のマガジンとの受け渡しを最短5秒で行うなど、工具の段取り替え時間短縮を実現しました。
SPEEDIO S700Xd2-100T
新開発の100本マガジン
ブラザーグループは今後も、自社の強みとノウハウを生かしながら、お客様のニーズにあった最適な製品を提供するため、お客様の声を聞きながら、製品開発を進めていきます。
企業CM「モノづくりの原点」
ブラザー工業では、ブラザーの若手エンジニアが、お客様との対話を通じてモノづくりのヒントを得ていく様子をドキュメンタリー映像にした企業CM「モノづくりの原点」を公開しています。