国連グローバル・コンパクト
「国連グローバル・コンパクト」(United Nations Global Compact、以下UNGC)は、1999年の世界経済フォーラム(ダボス会議)でコフィー・アナン国連事務総長(当時)が提唱し2000年に発足した、持続可能な成長を実現するための、企業・団体による自発的な取り組みです。
ブラザー工業株式会社(以下、ブラザー工業)は、UNGCに賛同し、2020年2月に署名しました。UNGCの定める「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」の4分野からなる10の原則の実践を通じて、ブラザーグループ全従業員一人一人が社会課題に目を向け、社会の持続的発展にさらに貢献する企業を目指した取り組みを進めています。
人権 |
原則1:人権擁護の支持と尊重 原則2:人権侵害への非加担 |
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労働 |
原則3:結社の自由と団体交渉権の承認 原則4:強制労働の排除 原則5:児童労働の実効的な廃止 原則6:雇用と職業の差別撤廃 |
環境 |
原則7:環境問題の予防的アプローチ 原則8:環境に対する責任のイニシアティブ 原則9:環境にやさしい技術の開発と普及 |
腐敗防止 | 原則10:強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取組み |
Responsible Business Alliance
「Responsible Business Alliance」(以下、RBA)は、グローバルなサプライチェーンの影響を受ける労働者およびコミュニティの権利と福祉を支援する非営利組織です。
ブラザー工業は、2019年1月にRBAに加盟して以来、RBAが認定した第三者機関によるブラザーグループ拠点の監査を進めてきました。その結果、2022年度以降、4つの生産拠点がRBAによる認証を取得しました。
拠点 | 事業内容 | 評価 | 取得日 |
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ブラザーインダストリーズ(ベトナム)Ltd. | プリンター・複合機の生産 | プラチナ認証 | 2024年10月29日 |
ブラザーテクノロジー(深圳)Ltd. | プリンター・複合機の生産 | プラチナ認証 | 2023年10月3日 |
ブラザーインダストリーズ(フィリピン)Inc. | プリンター・複合機、ラベルライターの生産 | プラチナ認証 | 2023年11月18日 |
ブラザー工業株式会社 星崎工場 | インクジェットヘッドおよび関連部品などの生産 | プラチナ認証 | 2024年5月3日 |
RBAは、その行動規範の中で、労働環境が安全であること、労働者が敬意と尊厳をもって処遇されること、環境負荷に対して責任を果たすこと、業務を倫理的に行うことに関する基準を規定するとともに、マネジメントシステムを通じて各基準への適合を追求することを求めています。
ブラザー工業は、RBAの加盟メンバーとして、すべてのステークホルダーから信頼される企業を目指し、グローバルな視野からグループ全体のモノ創りのプロセスをアセスメントし、持続可能なサプライチェーンのさらなる構築に向けた取り組みを進めていきます。
A.労働 |
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B.安全衛生 |
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C.環境 |
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D.倫理 |
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E.マネジメントシステム |
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- RBA (「RBA」(英文)のサイトへリンクします)
- RBA行動規範(バージョン8.0(2024年)) (「RBA Code of Conduct 8.0 (2024)」(英文)のサイトへリンクします)
- 2004年に「Electronic Industry Citizenship Coalition(EICC)」として設立され、2017年にRBAに名称を変更
TCFD提言
ブラザーグループは、2020年2月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言に賛同を表明しました。
このTCFDの提言に基づき、プリンティング・アンド・ソリューションズ事業、マシナリー事業、パーソナル・アンド・ホーム事業および新規事業について、気候変動が事業に及ぼすリスクと機会を分析し、関連する情報を2021年度に開示しました。今後は情報開示の充足に努めるとともに、脱炭素社会の形成に貢献するため、より一層の気候変動対策を推進していきます。
- 気候変動対応(TCFD提言に基づく開示)
- TCFDのサイトはこちら (「TCFD」(英文)のサイトへリンクします)
気候変動イニシアティブ
ブラザー工業は2020年2⽉、「気候変動イニシアティブ(Japan Climate Initiative*)」の宣言「脱炭素化をめざす世界の最前線に日本から参加する」に賛同し、このネットワークに参加しました。
- Japan Climate Initiativeは、日本の気候変動対策に積極的に取り組む企業や⾃治体、NGOなどの情報発信や意⾒交換を強化するためのネットワークです。
循環経済パートナーシップ
ブラザー工業は2022年8⽉、日本の環境省、経済産業省および一般社団法人 日本経済団体連合会が設立した「循環経済パートナーシップ(J4CE*)」の趣旨に賛同し、この団体に参加しました。
- J4CEは、循環経済への流れが世界的に加速化する中で、国内の企業を含めた幅広い関係者の循環経済への更なる理解醸成と取組の促進を目指して、官民連携を強化することを目的として設立された団体です。
サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ
ブラザー工業は2024年3⽉、サーキュラーエコノミーの実現に向けた活動を推進するため、日本の経済産業省が立ち上げた「サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ*」に参画しました。
- 「サーキュラーエコノミーに関する産官学のパートナーシップ」は、国、自治体、大学、企業・業界団体、関係機関・関係団体などを含めた日本全体のサーキュラーエコノミー(CE)連携組織として、日本版CE実現に必要となる施策を検討する団体です。
Green x Digitalコンソーシアム
ブラザー工業は2021年10⽉、一般社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)が設立した「Green x Digitalコンソーシアム」に参画しています。「Green x Digitalコンソーシアム」では、企業のカーボンニュートラル化と産業・社会の時代に応じた最適化活動を推進しています。ブラザー工業は、CO2データの算定や共有方法の枠組みを確立する「ルール化検討サブワーキンググループ」のサブリーダーを務め、業界の中でリーダーシップを発揮しています。
生物多様性のための30by30アライアンス
ブラザー工業は2023年10月、生物多様性保全に向けた取り組みを積極的に展開していくため、環境省が発足した有志連合による「生物多様性のための30by30*1アライアンス」に参加しました。これと同時期に、2008年から環境保全活動を行ってきた「ブラザーの森 郡上」が、30by30目標を達成するための自然共生サイト*2(前期)として環境省に認定されました。さらに、2024年8月にOECM*3として国連環境計画世界自然保護モニタリングセンター(UNEP-WCMC)が管理する国際データベースの一つである世界OECMデータベースにも登録されました。
ブラザー工業は、今後も生物多様性保全に向けた取り組みを積極的に展開し、30by30の目標達成に貢献していきます。
- 30by30は、2021年のG7サミットにおいて合意された、生物多様性の損失を食い止め、回復させる「ネイチャーポジティブ」というゴールに向け、2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする目標です。
- 自然共生サイトは、30by30達成に向けた日本における行動の一つとして、民間の取り組みなどによって生物多様性の保全が図られている区域で、国が2023年度から認定を開始しています。
- Other effective area-based conservation measuresの頭文字をとったもので、国立公園などの保護区ではないものの、生物多様性を効果的に保全しうる地域のこと。
- 30by30アライアンスのサイトはこちら (30by30アライアンスのサイトへリンクします)
- 「ブラザーの森 郡上」スペシャルサイト(ブラザー SDGs STORY)
CDP
ブラザー工業は2015年からCDP*による気候変動質問書・水セキュリティ質問書に回答しています。
- CDPは、投資家・企業・国家・地域・都市が自らの環境影響を管理するためのグローバルな情報開示システムを運営している英国のNGOです。
エコ・ファーストの約束
ブラザー工業は、エコ・ファースト企業として認定されています。
エコ・ファースト制度とは、企業が環境大臣に対し、地球温暖化対策、廃棄物・リサイクル対策など、自らの環境保全に関する取り組みを約束し、環境の分野で、先進的、独自的でかつ業界をリードする事業活動を行っている企業であることを、環境大臣が認定する制度です。