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サムネイル:業務用ラベリング記事 取材対象者集合写真

2026.3.24

“売って終わり”ではない!現場とともに成長し続けるブラザーの業務用ラベリング

Pick Up !
  • 飲食店や医療現場をはじめ、さまざまな現場を支えるブラザーの業務用ラベルプリンター
  • 設計者が自ら現場へ赴き、お客様のニーズを吸い上げる取り組み
  • “売って終わり”ではない。お客様の要望に応え、改良を重ねるブラザーならではの姿勢
目次
  1. 1.需要が高まる業務用ラベリングの市場ニーズに応えたい
  2. 2.“現場の声”に、徹底的に寄り添う
  3. 3.“売って終わり”ではなく、“売ってから始まる”
  4. 4.“この用途ならブラザー”と選ばれるブランドを目指して
  • 大野 由美子プロフィール写真
    大野 由美子
    プリンティング・アンド・ソリューションズ事業 ラベリングソリューション推進部
    チーム・マネジャー
    長年、業務用ラベルプリンターやモバイルプリンターの商品戦略立案に従事。国内外の市場トレンドや、現場ごとの用途での顧客ニーズを探索している。お客様の生産性・効率性を向上できる製品開発を目指し、商品企画の責任者として日々プロジェクトを推進している。
  • 伊藤 みずえプロフィール写真
    伊藤 みずえ
    プリンティング・アンド・ソリューションズ事業 ラベリングソリューション推進部
    ホーム・オフィス向けラベルライターを中心に、製品やアプリケーションの商品企画担当として、開発部門や販売会社も巻き込み、ユーザーニーズの調査や、搭載機能・ユーザビリティの検討業務などに従事。現在は、業務用ラベルプリンターの商品企画担当としてTD-2Dシリーズの改良に取り組んでいる。
  • 山岡 裕之プロフィール写真
    山岡 裕之
    プリンティング・アンド・ソリューションズ事業 LM開発部
    レーザープリンターの開発部門を経て、業務用ラベルプリンターの開発部門に異動後、主にネットワーク機能の設計・評価を担当。TD-2Dシリーズでは、本体制御プログラムの開発リーダーとして製品開発をけん引。現在は、新機能や技術開発に従事しつつ、販売会社の技術サポートも行う。
  • 伊藤 直人プロフィール写真
    伊藤 直人
    プリンティング・アンド・ソリューションズ事業 LM開発部
    業務用ラベルプリンターの開発担当として、製品の開発・設計・評価などに従事。TD-2Dシリーズでは、プリンターの画面表示や操作、印刷データの編集機能を中心に本体制御プログラムの開発を担当。現在は、ラベルや製品の制御を柔軟に変更可能なカスタマイズ機能の開発に注力している。

ブラザーが開発・製造・販売するプリンターは、家庭やオフィス以外にも、私たちの身の回りのさまざまな場所で活躍しています。例えば、大手コーヒーチェーンのレジ周りやデパートの地下にある総菜・菓子・弁当の売り場、医療現場では、業務効率化や人為的ミス防止のため、ブラザーのラベルプリンターが導入されています。
ブラザーは今、小売・物流・医療など多くの現場で活躍する「業務用ラベリング」の拡大に注力しています。
ブラザーの業務用ラベルプリンター「TD-2D」シリーズでは、さまざまな現場のニーズをいかに吸い上げ、製品開発に活かしていったのか。「売って終わり」にしないために、どのような工夫がなされているのか。開発の裏側にある思いや取り組み、そして業務用ラベリングの未来について、4人のメンバーが語ります。

1.需要が高まる業務用ラベリングの市場ニーズに応えたい

ラベルプリンターと聞いて多くの人が思い浮かべるのは、家庭やオフィスで使われるタイプかもしれません。ラベルに文字をプリントし、書類や収納品の整理などに使う、あのアイテムです。ブラザーは、1980年代から家庭・オフィス向けのラベルプリンター(ラベルライター)を『P-touch(ピータッチ)』のブランドで展開し、現在この市場ではグローバルで大きなシェアを獲得しています。
そして、家庭・オフィス向けのいわゆる「民生用」のラベルプリンターの技術と経験を生かして、2000年代から「業務用」のラベリング市場に参入しました。現在、ブラザーのラベルプリンターは、どのような場所・場面で使われているのか、商品企画のマネジャーを務める大野さんに紹介してもらいました。

大野さん:
例えば、ある大手コーヒーチェーンでは、レジ周りにブラザーのラベルプリンターを置いて、商品名が印字されたラベルをコーヒーのカップに貼っています。また、お弁当やお菓子の専門店では、商品販売時に、作業用カウンターに置かれているラベルプリンターで、食品表示ラベルや賞味期限ラベルを印刷し、商品に貼っています。
他にも、物流現場での出荷ラベル、医療現場での検体ラベルや患者用リストバンドなど、実は身の回りのさまざまな場面でブラザーのラベルプリンターが使用されています。
  • お弁当専門店での業務用ラベリング使用シーンのイメージ
  • 医療現場での業務用ラベリング使用シーンのイメージ

そしてブラザーは今、この業務用ラベリングを会社として⼤きく伸ばしていく成長事業の一つに位置付け、大きな飛躍を目指しています。その背景の一つには市場そのものの成長があると話すのが、業務用ラベルプリンターの商品企画に携わる伊藤みずえさんです。

伊藤みずえさん:
物流ではEコマースの拡大を背景に、小売や医療現場では業務効率化や人為的ミス防止を目的として、各現場でラベリングの需要が高まっています。ブラザーでは、こうして需要が伸び続ける現場にしっかり貢献することで、新たな成長を実現したいと考えています。
伊藤みずえさんのインタビュー写真

2.“現場の声”に、徹底的に寄り添う

そんなブラザーの業務用ラベリングの成長の原動力となっているのが、「お客様のお困りごとを解決する力」です。使用現場でのリアルな声を聞き、それを製品の開発やカスタマイズにつなげることで、お客様のニーズにきめ細かく寄り添った製品を生み出しています。
例えば、感熱紙に熱を加えて印字する感熱ラベルプリンター「TD-2D」シリーズの最新モデルでは、このような開発プロセスが採られました。

大野さん:
開発にあたっては、お客様、販売会社、システムパートナーを含めた各社からヒアリングを行い、国内外を問わず、さまざまな地域のお客様のニーズを幅広く集約します。そこで集まった大小200〜300件の要望リストから、“お客様が本当に欲しいと思うもの”、“真の課題解決につながるもの”といった観点で優先順位をつけていきました。
大野さんのインタビュー写真

開発にあたっては、必要な機能を的確に備えつつコンパクトさと導入しやすい価格を両立するという、同モデル本来の高いコストパフォーマンスの維持にも注力しています。
例えば、今回のモデルでは、使用現場の声をもとに、以下のような改良が行われました。

  • 物理ボタンを採用することで、「押しやすさ」を向上
  • 物理ボタン以外に、タッチパネル式の液晶画面を導入
  • 持ち運びニーズにこたえるためのハンドルの追加と、カートでの移動を考慮した本体重心バランスの改良
  • 特別なツールを必要としないヘッドとローラーの交換の実現
  • 印刷の高速化
  • 一括設定、遠隔管理機能の強化……etc.

例えば、「物理ボタンの採用」に至るまでにはこんな経緯がありました。

大野さん:
前モデルは、操作ボタンが凹凸のないフラットな仕様で、それに対してお客様からは「押し間違いに気付きにくい」という声が上がっていました。

こうしたお客様の声を受け、開発、デザイン、品質管理、さらには販売会社の商品企画やカスタマーサービスの担当者も集まって、改良にあたり仕様を詰めていきました。伊藤みずえさんは、当時の様子をこう振り返ります。

伊藤みずえさん:
押し間違えにくいよう、ボタンはできるだけ大きくしたい。でも、現場への置きやすさを考えるとコンパクトさを保つ必要があって、ボタンに使える面積は限られる。それならばボタンの配列から考え直そう、と。そうしたことを、喧々諤々と話し合いました。

こうした議論や試行錯誤の末、凹凸が付いていてしっかり“押し感”のある物理ボタンを採用。配列も工夫することで、本体サイズは維持しつつ、ボタンをできるだけ大きくしました。また、押しやすくなったことで動作が遅くなっては本末転倒ということで、1秒間に何回打てるか、レスポンスの速さも考慮し、さらに、耐久性、耐水性、汚れへの対応など、現場ニーズに応えるさまざまな配慮を取り入れています。

  • 新旧モデルの比較
  • 新旧モデルの比較
  • 左:旧モデル(TD-2130NSA)、右:新モデル(TD-2350DSA)
  • 上:旧モデル(TD-2130NSA)、下:新モデル(TD-2350DSA)
伊藤みずえさん:
こうした工夫や苦労の甲斐もあり、お客様や販売店からは、「使い勝手がとてもよくなった」というお声をいただくことができました。

3.“売って終わり”ではなく、“売ってから始まる”

お客様のニーズに寄り添った対応は、製品の発売後も続きます。それが、個別のお客様に向けた、ソフトウェアのカスタマイズです。

大野さん:
ブラザーでは、営業やカスタマーサポートを行う中でお客様からいただく、「ここをカスタマイズしてもらえないか」という要望に応える活動を行っています。寄せられた要望すべてをそのまま実現するのではなく、お客様が本当に求めている価値を見極めることで、最適な形で製品や機能に反映していきます。はじめは個別のお客様へのカスタマイズであっても、他のお客様にも広く適用できる内容である場合は、バージョンアップで機種仕様に反映させることもあります。
そうした点で、ブラザーの業務用ラベルプリンターの開発と改良は、“売ってからが始まり”とも言えます。

さらに、ブラザーでは、こうした開発やカスタマイズを後押しする「設計者派遣」にも力をいれています。

山岡さん:
設計者派遣とは、私たち開発の担当者が、販売会社の営業担当と一緒にお客様のところに行って商談に同席し、現場の声を直接伺う活動です。
ともすると私たちは、社内にこもって目の前の製品のことばかりを見てしまいやすいからこそ、現場に足を運び、お客様の声に触れることでハッと気づかされることも少なくありません。そうした中で、現場に行ってお客様が求める細かなニュアンスや、お客様自身も気付いていない改善ポイントを捉えられる意義は大きく、ここに製品開発の大きなモチベーションがあると感じています。
お客様からは、「開発担当が直接やって来るのは珍しい」と言われますが、お客様の生の声をお伺いできる、意義ある活動だと思っています。
山岡さんのインタビュー写真
伊藤直人さん:
開発部門では評価の高かった機能が、お客様のところに行ってみたら、あまり反響が得られなかったこともあります。お客様のリアルなニーズに触れることでギャップにも気付き、開発やカスタマイズに生かすことができています。

なお、今回の製品開発では、こうした設計者派遣の経験を生かして、「カスタマイズしやすい設計」も採用したといいます。

伊藤直人さん:
発売後もさまざまな要望にお応えすることを見越して、はじめから機能拡張しやすい仕様を採り入れました。これにより、前モデルより工数をかけずにカスタマイズできるようになっています。例えば今回のモデルでは、物理ボタンの他にタッチパネル式の液晶画面も実装しているのですが、前モデルで画面に対するカスタマイズ要望が多かった経験も踏まえ、あらかじめ、後からでも画面を変えやすいような設計にしました。これにより、実際にお客様から印刷メニュー画面のカラー変更の要望があった際も、工数をかけずに対応することができました。こうした、お客様にとってより使い勝手のよい製品にするためのカスタマイズを、従来よりも少ない工数で行えるようになったのも、設計者派遣による大きな成果だと感じています。
伊藤直人さんのインタビュー写真

4.“この用途ならブラザー”と選ばれるブランドを目指して

現場の声に徹底的に寄り添って開発を行い、発売後も個別のお客様のニーズにきめ細かく対応することで、さらなる飛躍を目指すブラザーの業務用ラベリング。この先の目標について、伊藤みずえさんはこう話します。

伊藤みずえさん:
ブラザーの業務用ラベルプリンターは、必要な機能がそろい、コンパクトで、かつコストパフォーマンスが高いというポジションにいます。とにかくハイスペックを目指すというのではなく、お客様の運用をしっかり理解した上で“ちょうどいい”仕様を提案することを、今後も突き詰めたいです。
おかげさまでTD-2Dシリーズは、旧機種も含めたシリーズ全体の売上が順調に伸びています。

大野さんは、今後のいっそうの成長に向け、具体的な目標を掲げます。

大野さん:
業務用ラベルプリンター市場は、ブラザーにとって伸びしろの大きい領域であり、お客様の生産性の向上に貢献できる、有意義で魅力的な分野でもあります。その中で、例えば「飲食店の食材管理ラベルならブラザー」、「医療現場での検体ラベルならブラザー」というように、特定用途でお客様から圧倒的な支持を得られるようになることを目指しています。そのためにも、引き続きお客様の使用環境や業務プロセスをより深く理解し、お客様自身もまだ気付かれていない業務改善を提案していきたいです。

そして開発者の2人は、それぞれ「知見の横展開」、「カスタマイズ機能の進化」を目標に掲げます。

山岡さん:
ブラザーの業務用ラベル製品は、TD-2Dシリーズ以外にも、よりサイズが大きなモデルやモバイルタイプなど、さまざまなラインアップがあります。今回培った知見を他の製品にも展開したり、逆に他の製品の知見をTD-2Dシリーズに採用したりして、ラベルプリンター全体の底上げを図りたいです。
伊藤直人さん:
次に目指すのは、私たち開発者がプログラムの書き換えをしなくても、お客様自身が機能を変更して、使いたい形にカスタマイズできる製品にすることです。そうした、お客様にとってより使い勝手のよい業務用ラベルプリンターに進化させていくことで、会社にも社会にも、持続的に価値をもたらしたいです。

小さなラベルに凝縮された、お客様との対話と工夫──。今後のブラザーの業務用ラベリングのさらなる成長に、ぜひご期待ください。

伊藤直人さん・大野さん・山岡さん・伊藤みずえさんのインタビュー写真
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